アーティはラザリスに色々と教えた

世界の事は勿論、生活に必要な事や雑学まで知っていること全てを教えた

ラザリスは何も知らず、全てを学んでいった


「これは何?」

「これはアップルパイです」

「アップルパイ?」


ラザリスはアーティが持ってきた皿に乗っているアップルパイを覗き込んだ

甘い香りに興味を示すラザリスの瞳は一般の女の子と変わらない

アーティはその姿を見つめていた


「これは何をするもの?」

「食べ物…おやつです。ラザリス様、どうぞ」

「うん、いただきます」


ラザリスはアーティが教えた通りに食べる前に手を合わせた

そして、恐る恐る口へ運んだ
アーティはその様子をジッと見つめる


「…美味しい」


ラザリスがポツリと呟く

その表情は今までに見たことが無いくらいに嬉しそうだった


「………」

「アーティは食べないの?」


思わず見とれていたアーティは、慌てて我に返った


「いえ…それはラザリス様の為に用意した物ですから」

「ふーん。じゃあ僕が許すから、アーティも食べて」


ラザリスはパイを差し出した

アーティはラザリスとアップルパイを交互に見る

今までラザリスと共に過ごして、ラザリスが何かをくれた事は無かった
渡したものに興味を示せばそれに夢中になっていた

それなのに…

ラザリスが自分に興味を持った、と考えて良いのだろうか


「アーティ?」


ラザリスは首を傾げる
アーティはラザリスの厚意を無駄にする事は出来ない

ラザリスからアップルパイを受け取った


「では、いただきます、ラザリス様」

「うん」


アーティが受け取るとラザリスは少し嬉しそうに笑った



恋をしました。
(許されない相手なのに)


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