アスベルと付き合う事になった
アスベルが自分の事を好きになってくれた
それが嬉しくて、夜シェリアに報告の電話をした。シェリアは素直に喜んで「おめでとう」と言ってくれた
「あれ…アスベル?」
朝、シェリアとの待ち合わせ場所に行くとシェリアではなくアスベルが立っていた
「おはよう、メグミ」
「お、おはよう」
状況が飲み込めないメグミにアスベルは笑った
「何でアスベルが此処にいるの?」
「何でって…メグミと一緒に登校する為に決まっているだろ?」
「だからって…先に教えておいてよ。ビックリしたじゃない」
アスベルはメグミに近付く。そしてメグミの頭を軽く叩いた
「驚かせようとしたんだ。教えたら面白くないだろ」
「そうだけど…」
「ほら、そろそろ行かないと遅刻するぞ?」
「うん、そうだね」
メグミは深く考えるのは止めて、アスベルと共に学校へ向かった
*****
「でねっ、アスベルが……って聞いてる? ヒューバート」
「はいはい、聞いてますよ」
ヒューバートはかなり疲れた表情をしていた
実はメグミの話は昨夜アスベルから聞かされた話と同じだった。しかも、朝からメグミは同じ話を何度もしている
「メグミ、いる?」
シェリアが教室に入ってくる。メグミは手を上げて場所を知らせた
「ごめんね、シェリア」
「良いのよ、気にしないで」
シェリアはメグミの後ろに立ち、鞄の中からポーチを取り出した。ヒューバートは何が始まるのか分からずに首を傾げていた
「シェリアが教室に来るのは珍しいですね」
「メグミに頼まれたの」
シェリアは櫛でメグミの髪をとかしていく。そして可愛らしく髪をアレンジする
「この後、アスベルとデートなんだ」
「その話はもう何度も聞きました」
ヒューバートは溜め息を吐く。シェリアも思わず苦笑しているが、メグミには分からない
「ほら、出来たわよ」
「ありがとう、シェリア」
シェリアに鏡を渡され、メグミは満足そうに眺めた
やはりこういう事はシェリアに頼むのが一番な気がする
「じゃあ、そろそろ行くね」
「行ってらっしゃい」
メグミは鞄を掴んで教室を出て行った
「…はぁ」
「お疲れね、ヒューバート」
「ええ、かなり」
残された2人がそんな会話をしていた事をメグミは知らなかった
*****
メグミは玄関で待つアスベルを見つけると急いで駆け寄った
アスベルはメグミに気付くと此方を見て笑う
「お待たせ」
「いや、全然待ってない」
「そっか」
メグミはアスベルの隣へ行く。アスベルはメグミをジッと見つめた
「…何?」
「朝と髪型違うな、と思って」
あの鈍感なアスベルが気付いてくれた
今までならどんなに可愛い格好をしようが何も言わなかったのに
「さっきシェリアにして貰ったの」
アスベルはそうか、と頷くと笑顔を見せた
照れくさい言葉
「凄く可愛い」