メグミは1人で廊下を歩いていた

友達には用事があるからと言われた。シェリアは委員会で一緒に帰れない事は朝分かっていた

だから、今1人で廊下を歩いている

明日は土曜日。何をしようか、そんな事を考えながら歩く


「メグミ、今帰りか?」

「アスベル!」


メグミが振り向くとそこにはアスベルが立っていた。メグミは嬉しくなり思わず声が大きくなる

毎朝一緒に登校しているのに、それでも会いたくなるのはアスベルの事が好きだから


「うん、そうなの。シェリアは委員会だって朝言ってたし」

「そっか。なあ、一緒に帰らないか?」

「えっ、ホントに?」


メグミはアスベルを凝視する

誘われるなんて思っていなかった。相手は鈍感なアスベル。ここで行かなければどうする

メグミは一瞬でそう考えて大きく頷いた


「一緒に帰ろ、アスベル!」

「ああ」


2人は一緒に歩き出す


「あのさ、アスベル」

「何だ?」

「…進路の事、考えてる?」

「……」


アスベルは悩んでいるのか、黙ってしまった。メグミは聞いてはいけない事だったかと不安になる


「考えてない訳じゃないけど、逆に色々考え過ぎて分からなくなってる感じかな」

「そうなんだ。シェリアもね、似たような事言ってたよ」

「メグミも来年は同じように悩むさ」


アスベルは笑いながら言う

恐らく悩んでいる姿でも想像しているのだろう


「人事だと思うと笑えるんだね」

「悪い悪い」


頬を膨らませたメグミにアスベルはまた笑いながら謝った


「…っと、もう着いたな」


いつの間にか家に着いていた。メグミは残念そうに俯いた

明日は土曜日。ここで別れれば月曜日まで会えない

毎週この瞬間は嫌いだ


「…メグミ、明日一緒に勉強しないか?」

「えっ、でも…」

「もうすぐテストだろ。一緒にした方がはかどるしさ」

「うん!」


アスベルの優しさにメグミは嬉しくなった

2人きりでないのは分かっている。それでも明日会えるのは嬉しかった



会いたくなる言葉

また、明日





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