アスベル達の卒業式

去年の卒業式は暇で仕方なかったが、今年は違う
アスベルもシェリアも卒業する。春からは2人とも大学生だ


「おめでとう、シェリア」

「ありがとう、メグミ」


式が終わり校舎から出てきたシェリアにメグミは声をかけた

シェリアは笑顔で返事をする。そしてメグミの手を握った


「アスベルが教室に来て欲しいって言ってたわよ」

「アスベルが?」


メグミは不思議に首を傾げた
わざわざシェリアに頼んだのは何かあるのだろうか


「…頑張ってね」

「シェリア、アスベルの用事が何か知ってるの?」

「…ほら、早く行ってあげて?」

「あ…うん」


シェリアはメグミの背中を押した

シェリアから話を聞きたかったが、教えてはくれないだろう。それならアスベルの所へ行く方が早い

メグミはアスベルの待つ教室へ向かった


*****



「アスベル?」


教室から外を眺めているアスベルに近付いた
アスベルはゆっくりとメグミの方へ振り向いた

「良かった、来てくれて」

「どうしたの?」

「あー、えっと…」


アスベルは言いにくそうに頬を掻いた。メグミは首を傾げて更に近付いた


「あのさ、コレ…」

「何?」


アスベルが差し出したのは、小さな箱。可愛くラッピングされている


「…開けてくれ」

「うん…」


言われたように慎重に箱を開けていく
中からはシンプルな銀の指輪が出てきた


「アスベル…これって…」

「…メグミ」


アスベルはメグミを抱き締めると直ぐに離れた
そして箱から指輪を取るとメグミの左手の薬指にはめた


「あ、あのっ…アスベル?」

「…メグミ」

「はいっ」


アスベルに名前を呼ばれてメグミは思わず返事をする。真剣なアスベルの瞳をメグミは見つめる


「…俺と結婚してくれないか?」

「は? えええっ!?」


メグミは大声を出した
アスベルは今何を言ったのだろうか


「な、何言ってんの、アスベル。本気!?」

「本気だ。俺じゃ…ダメか?」

「ダメじゃない。ダメじゃないけど…」


信じられない
ずっと鈍感でメグミの気持ちに気付かなかったアスベルから、プロポーズされるなんて


「メグミ…」


アスベルはまたメグミを抱き締めた。そして触れるだけのキスをした


私と貴方を繋ぐ秘密の言葉

あいしています




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