港町・ヤスカに到着したリィシェ達は、既に到着していたルビア達と無事に合流した

3人は激流により、ヤスカまで流されたらしい


「とにかく無事で良かった」


ティルキスが話を聞いた後で呟いた


「そういえば、親父さんはどうした?」


一緒に逃げて来た筈のラムラスが居ない事に、フォレストは気づき尋ねる
リィシェとカイウスは顔を伏せた


「2人のお父さんは…亡くなったわ」


2人の代わりにアーリアが答える


「異端尋問官のロミーに操られて…魔法は解けたけど、その後に……」

「俺たちが居ない間にそんな事が…」


アーリアの話を聞いたティルキスが拳を握った

フォレストはリィシェとカイウスの頭に手を添えた


「親父さんの事はショックだろうが、気を確かにな」

「おじ様…」

「それだけじゃ、ないんだ」


カイウスがポツリと呟く

恐らく、あの事だろう


「ロミーが父さんに止めを刺した時、オレは自分が押さえられなくなって……獣人化したんだ」

「カイウスが獣人化!?」


驚いた様子のルビアとティルキスとは反対に、フォレストは納得した様子でカイウスを見た


「そうか。ザンクトゥがなかったから、まさかとは思ったが……」

「でも、カイウスが変身してくれたから、教会の追っ手を振り切る事が出来たの」


アーリアの言葉に違う、とカイウスは首を振る


「リィシェが止めてくれなかったら、オレは…」

「カイウス、お前はその力があったからこそ、アーリアとリィシェ、そして自分の命を救えたんだ」

「オレの力が命を救った…?」


カイウスは信じられないといった様子でティルキスを見た。ティルキスは大きく頷く


「お前は獣人化した時の凶暴な感情を嫌悪しているのかも知れない」


フォレストはゆっくりとカイウスに語りかける


「だが、それも父への想いから出たものだ。決して間違いではない。すぐに気持ちの整理はつかないだろうが、それだけは忘れないでくれ」

「…うん、分かった…」


カイウスはフォレストとリィシェを見てから静かに頷いた



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