カイ達は王都レグヌムに来ていた

創世力という天上を滅ぼした力を、アルカ教団や北の国・テノスに取られないように自分たちで先に見つける事にしたらしい

カイには創世力というのは分からなかったが、何であれハスタに会えるならそれで良い

カイ達は2人一組で街を探索し、転生者を探す事になった。大人数で行動すると逆に目立つから

スパーダの提案でコイントスをし、少女─イリアと女性─アンジュが商店街、スパーダとリカルドが工業地区、少年─ルカとカイとイリアが連れていたネズミ─ミュース族のコーダが居住区に決まった


「では、定期的にここへ戻る事にしよう」


カイ達はスパーダが幼い頃に使っていた秘密基地─下水道を拠点とし、街を散策する事となった

*****


「……」

「……」

「……」


居住区を歩くカイ達に会話はなかった
カイは必要だと思っていなかった


「あの、さ。カイ…」

「……」

「えと、カイ?」

「……」


ルカが何度もカイに声を掛ける

だが、カイは鬱陶しそうにルカを横目で見るだけだった


「…ううっ」

「ルカを泣かせたな、しかし」


涙目になったルカを見て、コーダはカイに言った


「…アタシはあんた達を利用するとは言ったけど、仲間になるとは言ってない」

「で、でも、一緒に旅をするなら……」

「アタシ、港の方に行ってくる」


ルカとの話をわざとらしく切り、カイは1人で走り出した

これ以上、一緒に居たくなかった



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