船の改修も終わり、バンエルティア号は空高く飛べるようになった

エリーがネガティブネストに行く前に、フィオとモルモをギルガリムに送る事になった

皆が甲板に集まる

きっと、これが彼らとの別れになる
エリーはそう感じていた


「それじゃ、そろそろ行くね」

「オイラ達、頑張ってくるよ」


フィオとモルモは笑って言う


「行ってらっしゃい」

「気をつけてね」


メンバー各々が2人に声を掛ける。その中でエリーは、何を言おうか迷っていた


「エリー」


ふとフィオに呼ばれた。エリーは前に出る


「エリーも頑張ってね。きっと、ゲーデも…世界樹も望んでいるだろうから」

「うん。あのね、フィオ」


エリーはずっと手にしていたソレをフィオに差し出した


「これ…昨日の夜パニールとカノンノと一緒に作ったの。行く途中でも、終わった後でも…還ってからでも良いから食べて?」

「わざわざ作ってくれたの?」


余程意外だったのか、フィオもモルモも驚いている


「今日で2人とお別れかなって思ったら、何かあげたくなって…」


カノンノに相談すると、フィオの好きなものを作って渡したら、と言われた

パニールにも協力してもらい、初めて料理をした

料理とは呼べないモノが出来てしまったが、せめて気持ちだけでも受け取ってもらいたかった


「エリーさん、とっても頑張ったんですよ」

「パニール!」


エリーは慌ててパニールの口を押さえた

これ以上、余計な事を言われたくない


「ありがとう、エリー」

「楽しみだね、フィオ」

「そうだね」


予想以上に喜んでくれたようで、エリーは安心した

そうして2人は船を下り、ギルガリムの中へと入って行った


「あたしもそろそろ行かないと」


エリーはネガティブネストを見上げた


「エリーさん、その事なんですが」

「なに?」

「流石に1人で行くのは危険ですから、誰かと一緒に行ってください」

「そんな事言われても…」


ここから先は、自分にしか出来ない

1人で行くつもりだった


「オレ達が一緒に行く」


リッドが真っ先に言った。その後ろで、ファラとキールが頷いている


「でも…今まで以上に危険だろうし」

「だからこそ、ぼく達が一緒に行くと言っている」

「そうそう。今度はわたしがエリーを助けるよ」


キールとファラが、後押しとばかりに言う
エリーは1人で行くつもりになっていた為に、どうしようかと悩む


「そんな心配しなくても、ゲーデの所に行くまではオレ達が守ってやるよ」

「リッド…ありがとう」

「決まりですね。では、バンエルティア号はこれよりネガティブネストに向かって上昇します!」


チャットは機関室へと戻り、バンエルティア号は上昇を始めた



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