アニスは峠に居た

そこを越えれば、アニスの家があるのだろう

アニスの隣には、クロエやファラと同じで、アニスの影が居た
エリー達は急いで駆け寄る


「…あのね、私はいらない子なの。いなくなっていいの、私なんか。消えちゃおうよ、ここで…。私にあんたになってあげる…!」


アニスの影は背中の人形─トクナガに手を伸ばす

ジェイドとルークは武器を手にし、アニスの影をアニスから離すように攻撃した
アニスの影はアニスから、ジェイド達から距離を取る


「アニス、それは負の囁きです。本当に要らない子だったら、食べ物を送ったりなんかしないはずですが」

「………」


ジェイドの言葉に、アニスは反応しない


「ジェイド、今はアレを何とかしないと!」


ルークがアニスの影を指差す。影は術の詠唱をしている


「シャドウエッジ!」


アニスの影の詠唱はエリーの術によって止められた


「閃光墜刃牙!」

「風塵皇旋衝!」


ルークとジェイドの技も直撃する


「空破特功弾!」


アニスの影の反撃を2人は喰らう。防御していた為、多少はダメージが少なくなっているだろうが


「エクレールラルム!」

「ディバインセイバー!」


ティアとエリーの術が直撃し、アニスの影は倒れた

エリーは直ぐにアニスの影に手をかざした

アニスの影は光に包まれ、先ほどと違い表情が穏やかになる


「嫌いじゃないんだ…、私。パパも、ママも」

「うん、嫌いたくないよ。当たり前じゃん」


アニスとアニスの影が話を続ける。エリー達はそこから離れた

暫く話していると、アニスの影は光に包まれて姿を消した


「アニス?」

「…はぅわ〜、アニスちゃん、ボーっとしてました…」


「さてと、軍を辞めますか? 幸い、ご実家はここを越えればすぐでしょう?」

「な〜に言ってんですか、大佐。アニスちゃんがいないとさみしいクセにぃ〜。ね、ルーク?」

「お、俺に振るなよ」


いつもの調子に戻ったアニスに、エリーとモルモは笑った


「そろそろ帰らない? 遅くなると余計に皆が心配するわ」

「そうだね。アニス、帰ろう?」

「…うん」


アニスが頷き、エリー達はその場を後にした



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