「ファラ…」
影が消えた後、リッドが声を掛けた。ファラはゆっくりと振り向いた
「リッド、キール…」
ファラは珍しい泣きそうな表情をしていた
「今までゴメンね。ギルドを始めようって言ったのも、全部わたしの…罪悪感からのワガママだった。ずっと、2人を巻き込みっぱなしで…」
「気にすんなよ。ファラは1人で抱え込み過ぎだっての」
「そうだ。それに、ファラが始めたアドリビトムは、今やディセンダーを迎え、世界を救おうと動いてるんだからな」
キールはエリーとチャットに視線を向ける。ファラとリッドも同じように見た
「ファラがアドリビトムを作っていてくれなかったら、あたしは皆に会えなかったんだよ。自分が誰かも分からないままだっただろうし」
「そうですよ。これだけ多くの人が子分になるなんて、ボクも思ってませんでした」
「アドリビトムを作ってくれてありがとう、ファラ」
にこりとエリーはファラに笑顔を向けた
ギルドを作った事に感謝する事はあっても、それで困った事はない
エリーはファラにそれを伝えた
「さて、帰りましょうか」
「だな。腹減ったぜ」
「あたしも。帰ったらファラのオムレツが食べたいな」
「…うん! 任せといて。とびっきり美味しいの作るから!」
いつものファラに戻ったような、そんな気がした