アンテナ設置から帰ったフィオは、カノンノが倒れた事をリフィルから聞いた
ニアタの世界を覗く力を、カノンノのマナを使って行なったらしい
カノンノはファラの居場所を見つけた。リフィルはリッドとキールに確認を取るとの事だった
フィオは医務室にカノンノの様子を見に行く事にした
「お入りになるんでしょう? どうぞ」
丁度医務室から出て来たパニールに促されて、フィオは医務室に入った
カノンノは眠っているようだ。隣にいるニアタがフィオに気付いた
「…そなたか」
「カノンノは大丈夫なの?」
「カノンノは己のマナを使って、世界を覗いた。マナが枯れ、霧散してしまうかもしれない、危険な行為を」
「それでも…探したいって気持ちが強かったんだね」
「本当に強い娘だ」
今はぐっすり眠っているカノンノは、どんな夢を見ているのだろうか
「……フィオ?」
「カノンノ…。ごめん、起こしちゃった?」
「ううん」
カノンノは起き上がろうとするが、体に力が入らないのか、再びベッドの上に倒れた
「ごめんね。まだ、アニスの姿は見えなくて…。ごめんね…」
「謝らなくて良いよ、カノンノ」
疲れている筈のカノンノに、フィオは触れた
よく彼女にしていたように、安心してもらう為に
「きっと、アニスも無事だよ。今はゆっくり休んで」
「うん。私ね、やりたい事があるの」
「やりたい事?」
「お話、最後まで書ききってみせる。絶対に消えないって約束する。それに…私以外の誰かの夢だって…、終わらせたくない…。……終わらせちゃ駄目なの」
カノンノはそれだけ言うと、再び目を閉じた。余程疲れているのだろう
「…カノンノは、やっぱりカノンノなんだね」
フィオはカノンノの事はニアタに任せる事にし、医務室を後にした