エリーがセネル達と共にクロエを探している頃、フィオはモスコビー砂漠に居た
ファラとアニスの捜索の為ではなく、精霊界への干渉を行うアンテナを設置する為に
ファラ達の事は心配だったが、それは他のメンバーも同じだ
というより、ハロルドにほぼ強制的に来させられたのだ
「太陽の門って、自然に出来たものらしいネ」
歌いながら歩いていたマオが、ふと言った
砂漠の奥にある“太陽の門”と呼ばれる岩の付近が、精霊界へ干渉しやすい場所らしい
「太古において、穢れ流しは各地で行われていた。恐らくここもその一つだろう」
ユージーンが補足する。そういった場所が適切なのだろう
フィオ達は話しをしながらも、太陽の門を目指した
「待て」
ふとユージーンが声を掛ける。何事かと足を止めた
「どうしたの?」
「臭気が移動している」
「臭気?」
匂いを嗅いでみるが、変な臭いはしない
ユージーンだからこそ、何か感じているのだろうか
「この先に何かあるのかもしれん」
「何かって…?」
「太陽の門はこの先だし、慎重に進んだ方が良いかもしれないね」
「何かあってもユージーンもフィオも前衛だから、大丈夫だヨ!」
マオの他人事な発言に苦笑いしながら、フィオ達は先に進んだ