「ニアタを修理するって、そんな事出来るの?」


ニアタ・モナドを歩く中、モルモが聞いた

負を世界樹に流す為には、精霊の世界へ干渉出来なければならないらしい

その方法をニアタに聞く為、その回路を修復すべくフィオ達は来ていた

ハロルドから回路を修理する箇所を見つける、小型ネズミ型ロボット『ハロッチュGOGO号』をニアタ・モナドに放ったのだった

ハロッチュGOGO号はそれぞれ動き出したので、それを見つける為にフィオ達は歩いていた


「あのハロルドさんが作った機械だから、大丈夫じゃない?」


カノンノの隣を歩くルビアが呟く。フィオもガイも頷く

ガイがカノンノとルビアから距離を取っているのは言うまでもない


「とにかく、ネズミロボを見つけて修理すればニアタともう一度話が出来るんだろう?」

「もう一度…ニアタと話をしなきゃ。言いたい事、ちゃんと言わなきゃ」

「僕も…僕たちも聞きたい事があるし…」

「あそこ、ネズミロボ!」


会話の途中でモルモが叫んだ。ハロッチュGOGO号が通路を走っていた

フィオ達はそれを追い掛けた


*****

3ヶ所の故障を直すと、ニアタ・モナドに再び光が走った

そして、中枢である玉座へと来ていた


「驚いた。我々の器もここで朽ち、魂がいよいよ解き放たれると思っていたが…」


ニアタの声が響く
フィオは安堵の息を吐いた


「ニアタ!」


カノンノが叫ぶ。言いたい事があるからだろう


「私、あなたにお礼を言いたくて来たの。私に色んな事を教えてくれた。寂しかった私にいつも声をかけて支えてくれていた…。なのに、この間はニアタの事を…怖がったりして……ごめんなさい。そして、ありがとう、ニアタ」


カノンノは笑顔を向け感謝を述べた

カノンノが言いたかった事、ニアタへの謝罪と感謝

フィオとモルモには、その気持ちが何となく分かった


「カノンノ、我々もいい夢を見ていた。また、会えて嬉しく思っている」


ニアタの声が響く。フィオも嬉しく感じていた

ニアタに聞きたい事が沢山ある


「ニアタ、あんたが教えてくれた方法で、世界樹は回復したんだ」

「そうか。上手くいったのだな」

「でも、まだ問題が残っているの」


カノンノが説明を続けた

負を流すための、ハロルド達の考えを伝える


「…そなた達に付いて行こう。そして、我々の知識をそなた達のブレーンに伝えよう」

「付いて来るって…この建物ごと?」


カノンノが驚きつつ聞くと、ゆっくりと発光した石が降りてきた


「これより我々の本体は、そなた達が目にしている石となる。さあ、行こう」


ニアタに驚きながらも、フィオ達は頷いた


「じゃあ、帰るか。学者連中、驚くぜ。何たって、ニアタを連れ帰るんだからな」

「そうですね。早く帰りましょう」


ガイが子どものように笑った。ルビアもカノンノも、何処か嬉しそうだった

フィオとモルモは、ニアタと話す機会を探しながらニアタ・モナドを後にした



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