フィオ達がルチルブライトを手に入れたその夜、エリーの部屋にクラトスが来た


「あの…クラトスさん?」


クラトスがエリーの部屋に来る事はこれが初めてだった

エリーは戸惑いながらクラトスに声をかけた

クラトスは普段と変わらない表情でエリーを見る


「行きたいか?」

「え?」

「リフィルがニアタに聞いた“暗く、深く、乾いた街”にだ」

「何処にあるのか知っているんですか?」


リフィルやフィリアでもそのような場所は知らないと言っていた

ハロルドは冗談で船にドリルを付けて掘り進むとまで言っていたのに


「マンダージ地下都市。今は街の面影が殆ど残ってはいない場所だ」

「マンダージ地下都市…」


エリーは不思議に思った

何故知る者がいない街の事をクラトスが知っているのか、何故街の名に僅かな懐かしさを覚えるのか

エリーはそれらを知る為に行かなければならないと感じた


「連れて行ってくれますか?」

「当然だ。では明日、機関室で待っている」


クラトスはそれだけ言うとエリーの部屋を後にした

エリーは誰か誘った方が良いのか、どうしようかと悩んでいた


*****


「おはようございます」


朝、エリーは1人で機関室へと向かった

機関室ではチャットとクラトス、そしてリッドとファラが居た


「おはよう、エリー」

「リッドとファラも一緒に行くの?」

「ああ。クラトスがいるんだから護衛は要らないだろうけど、ファラが行く気満々でさ」

「良いでしょ。今日はキールが居ないんだから、ついて来てくれても」


リッドに反論するようにファラは言った


「あと、ジェイドさんも一緒に行く事になっています」


クラトスと場所の確認をしていたチャットは、エリー達に言った

ファラが珍しいと驚いている横で、リッドは思いきり溜め息を吐いた

そして、バンエルティア号はマンダージ地下都市跡へ向かった







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