ニアタ・モナドへ行った翌日、フィオ・モルモ・エリーはリフィルの待つ科学部屋に向かった
来るように言われたからだ


「来たわね」

「それでニアタは何を言ってたの?」

「そんなに慌てないで。まずは2人の話を聞きたいのだけど、良いかしら」


リフィルはフィオとモルモを見る

リフィルが聞きたい事は分かる


「オイラ達はディセンダーだよ」

「ただ、ニアタが言った事が本当なら、僕たちの世界はもう存在しないけど」


モルモとフィオは先に言った。リフィルは顎に手を当てる


「自分の世界が無いのに、ディセンダーは存在出来るの?」

「それが分からないんだ。僕たちはこの世界に来る直前まで僕の世界に居た。勿論、世界樹は存在してた」

「不思議だね」


フィオの言葉にエリーが首を傾げた


「貴方達の事は黙っておくけれど、何か判明したら教えて頂戴」

「分かった」


リフィルが黙っててくれるのは嬉しかった

バレてもそれほど困らないと思ったが、やはり異世界から来たとなると皆の反応が少しだけ怖かった


「……っ」


突然フィオは体の力が抜けるような感覚に襲われた


「フィオ!?」


床に膝を付いたフィオにリフィルとモルモは駆け寄った

若干息の荒いフィオにモルモは焦る


「大丈夫!?」

「…大丈夫だよ」


そう言ってフィオは何とか呼吸を整える

この感覚は知っている“彼”が仕掛けたのだろう


「リフィル、ニアタの話を聞かせて」

「…本当に大丈夫なのね?」

「うん」


フィオの返事にリフィルは息を吐く


「じゃあ、ニアタの話をするわね。貴方達に話す前にジェイドやフィリアに話して、もう協力して貰っているの」

「協力? そんなに大変な事なんですか?」


リフィルが言った事にエリーは首を傾げた

簡単に出来る事では無いだろうと思っていたが、準備がいる程なのだろうか


「まず、一つ目。針状物質が混入した水晶に、深海の中に満ちる月光の光を宿らせる。これを、暗く、深く、乾いた街に埋める事」


リフィルは一旦言葉を止めた


「針状物質が混入した水晶って?」

「それは“ルチルクォーツ”です」


フィオの疑問に答えたのはフィリアだった

丁度科学部屋に入って来たフィリアは箱を持っていて、それをリフィルに渡した


「ルチルクォーツ?」

「これよ。フィリアが持っていたから、1つ分けて貰ったの」


リフィルはフィリアから受け取った箱をフィオ達に見せた

中には球状の水晶が入っていた


「これを深海の…何だっけ?」

「深海の中に満ちる月光の光を宿らせる、だね」


モルモは首を傾げてフィオを見た
フィオはリフィルが言った事を繰り返した


「深海なんてどうやって行くんですか?」


「私はチュロス海底遺跡に生息する月光虫の光だと推測したの。そしたら、ジェイドが深海用の潜水服をグランマニエに手配してくれたのよ」

「だから、ジェイドとフィリアに協力して貰ってる、か」


リフィルの説明にフィオは納得した

ジェイドなら、簡単に手配してくれるだろう


「潜水服が届き次第、誰かに行って貰うわ。貴方達はゆっくり休んで頂戴。後、カノンノの事も…」


リフィルは言葉を止めた

リフィルの表情が曇ったのを、皆が気付いた


「…フィオ、モルモ。カノンノの様子を見に行こう」

「…お願いするわ」


エリーに引っ張られ、2人は科学部屋を後にした





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -