エリー達はバンエルティア号が来るのを待っていた

ハロルドはカイルとリアラから話を聞いていた


「あんた達二人を元の世界へ飛ばすってんなら、結構な量のエネルギーが必要なのよ」

「それじゃ、わたし達の頼みは聞いてもらえないということですか?」


リアラが不安そうにハロルドに尋ねる
するとハロルドは安心させるように笑顔を見せた


「ま、時間転移も一緒にするんだったら、どれだけ時間掛けても問題ないでしょ?」

「…それはそうだけど」


カイルは何だか上手く乗せられてしまったように頷いた


「あ…」

「どうした、エリー?」


思い出したように声を出したエリーに、クロエが聞く
エリーは頼まれていた事をすっかり忘れていたのだ


「ジェイドさんに頼まれてたの。レーズン火山に行くならアメジストを採って来て欲しいって」

「忘れてた、なんて言える相手じゃないな」


セネルは何かを思い出して身震いする

彼とジェイドの間に何があったのだろうか


「今から採りに行くかい?」

「その必要は無いわよ」


採りに行こうとするエリー達をハロルドは止めた


「アメジストなら私持ってるから」

「本当か?」

「タダで貰えると思ってるの?」

「何が目的だ?」


ハロルドの異様な笑顔にセネルは嫌な予感がした


「アンタ達はラルヴァって知ってる?」

「知っているも何もあたし達のギルドで研究してますが…」

「ホント!?」


ハロルドに詰め寄られエリーは若干苦笑いする


「じゃあ私をアドリビトムに入れて頂戴」

「…今の会話の流れで何故そうなる?」


クロエは不思議そうに首を傾げた


「良いじゃない。細かい事は気にしな〜い」


ハロルドはもう一度笑った

その時バンエルティア号が来たのが見えた


*****


「ぐふふ…、未知のマターの匂いがするわ。おっじゃまっしま〜すv」


バンエルティア号に乗り込むなり、ハロルドの瞳が輝いた


「未知のマターって…何?」

「そもそも匂いのあるものじゃないだろ」


エリー達はハロルドの発言に首を傾げた


「見つかったか」


ホールへ入るとショーとチャットが待っていた

恐らくチャットがショーに連絡をしたのだろう


「相変わらずのノホホン面ゾな」

「相変わらず鼻の充血っぷりが見事ね。ちゃんと角栓を取って清潔にしないと、イチゴにしか見えないわよ」


ハロルドとショーは会話を続ける


「相手はギルドの主っていうのに、ハロルドの暴言は凄いな」

「クビにしたくなるのも分かるな」


セネルとクロエは好き勝手に話す


「…それよりさ、決めちゃった。私、ここで研究させてもらうわ。リアラとカイルは助手という事でよろしく♪」

「はぁ!? なんでそうなるんですか!」


ハロルドの発言にチャットは叫ぶ。エリー達も驚いてハロルドを見た


「さっき言ってたの本気だったのか」

「だとすると、科学部屋が大変な事になるな」

「そうだね」


エリーも思わず苦笑いした

そんな事を話しているとショーとナナリーが帰る事になった

ナナリーは最後までハロルドの心配をしていたが、帰らない訳に行かないため仕方なく帰っていった

チャットはチャットで厄介者を引き受けてしまったとかなり落ち込んでいた

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