練習が終わったあと。部活の買い出しをするために玲を連れて近所の薬局に来た。
こいつを連れてきたのはもちろん荷物持ちさせるためだ。絆創膏・テーピング・シップを適当に選んでは次々と玲の持つ買い物カゴの中に入れていく。

『真ちゃん、おーもーいー!』

不貞腐れながら俺の後ろをついてくる玲。ふらふらと彷徨う姿は不審者に見えなくもない。はぁ、とため息をつき、どうしたものかと考える。

「最後にアイス買ってやるから我慢しろ」
『真ちゃん、本当!?』
「本当だ、本当」

やったー!と急に元気になった玲を見て思うことはただひとつ。こいつ、本当に馬鹿だな。今にもくるくると回り出しそうな玲の後ろ姿を眺めていると、突然聞き覚えのある声が聞こえた。

「おっ!花宮じゃないか」
「は!?なんでてめぇとここで会うんだよ」

目の前でにこにこと笑う木吉に対し、俺は顔をおもいっきりひきつらせて嫌な顔をする。

「いや、気分転換でもと思ってな」
「随分めんどくせぇ気分転換だな」

これだから本当にこいつが嫌いなんだよ!ぶつぶつと心の中で文句を言っていると更に俺をイライラさせるやつがどこからか戻ってきた。

『真ちゃーん、このアイスがいいな!って、あれ?真ちゃんのお友達?』

はじめまして、と木吉に挨拶をする玲。俺のこの顔をどう見たらそうなるんだよ。

「それにしても、花宮に妹がいたとはな」
「は!?こんな馬鹿と兄妹なわけねぇだろ」
『真お兄ちゃん、わたし泣いちゃうよ?』
「玲!面倒くせぇことになるから悪ノリすんじゃねぇ!」


に欲しいな


「だから!妹じゃねぇって言ってんだろ」
「花宮、照れてるなよ。可愛い妹さんじゃないか」
「...とりあえず人の話を聞け!」


2013.7.31