テスト3日前。今更泣き言言っても、遅い遅い。

「ふええええん。課題が終わんないよぅ」
「早めに終わらせないお前が悪い」

蛍のぼやきは阿部にもちろん一蹴されるとして、その眼前に高く詰まれた課題の山は、一種の絶望さえ感じさせた。

「あべぇ・・・・・」
「はいはい。じゃあ今日は課題を終わらす日な。質問は受け付けとくから」
「きゃんゆーへるぷまいはうすわーく!」
「homeworkな。houseworkは家事だから」

ちなみにそのとなり。

「れっつ・・・・しんぐとぅげざー!」
「thinkだthink!!歌うな!!文脈考えろ!!地球温暖化からどうやったら音楽に飛ぶんだ!!完全にお前の趣味だろ!!」
「いや花井、考えてもみてよ。地球温暖化・・・・・・つまり足りないのは地球への愛、愛といえば歌!!つーわけでちょっとCDショップ行って来る!!」
「行くな水谷!足りないのはお前の頭と常識だっつの!もどって来い!!」
「うっ、だって今日発売の新譜が・・・・・・!」

・・・・・・大丈夫か、7組諸君・・・・・・!!

「あべっ、あべぇっ!・・・・・・あべしっ!!」
「・・・・・・悲鳴だったよな。阿部氏じゃなくて、あべしっ!っていったよな、今」
「おわんない・・・・たすけて・・・・」
「今更泣き言言っても、遅い遅い。つーか終わらせてないんなら、そう言えよ。課題範囲から結構同じ問題出るのに」
「えっそうなの?」
「知らなかったのかよ・・・・・・。道理でお前、成績悪いんだな。普通、いっぺん解いた問題ならなんとなくわかるだろ」
「だってうちの中学、・・・・・・あ、いや、なんでもないです」
「うちの中学は違ったって言おうとして、中学の自分がまったく課題解いてなかったことに気付いたんだろ。そうなんだろ」
「えっ、だって課題めんどい」
「じゃあこれからの試験勉強は課題中心にやれよ。つーかその勉強法で西浦に来れたことがすげーわ」
「裏口入学だからね!」
「公立高校なのに!?つーかそれを高らかに宣言しちゃっていいの!?」
「えっ、裏口入学って、入試のときに裏門からはいったら合格率アップっていうおまじないでしょ?駄目だったの?スポーツ選手のドーピング的な問題?フェアじゃないって?」
「そっちかよ!始めて聞いたわそんな裏口入学!」
「そして入学式の日も裏口を通ってはいる!それで今度とも安心のスクールライフ!!」
「・・・・・うん、お前の純粋さってむしろ尊敬を通り越して気持ち悪いわ」

そんなこんなで、山積みの課題に追われる毎日!
よい子のみんなは、前日に一夜漬けなんてしちゃ駄目だぞ!
あと、丸つけ忘れてたーって、学校でしちゃ駄目だぞ!!
・・・・こんなこと書いてるってことは・・・・・・うん・・・・・・そこは、気にしちゃ駄目なんだぞっ!

試験までは、後3日・・・・・・。



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20110710




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