「あーヤダ!ぜんっぜんわかんないよ、手塚くん!」
「だからな、前のページの公式を、」
「公式なんて爆発しろー」
「公式がなくなったら、もっと数学が面倒くさくなるだろう」
「・・・・・・数学なんて、」
「爆発したら、大変だろうな」
「ぅ〜・・・・・・。あーもう、何が数学だ!『数が苦』のまちがいでしょっ!」
「・・・・・・・・・・・」
「あ、スベった?」
目の前に並んでいる数字の羅列に、私の頭が爆発しそうだ。爆発っていいね。アニメの華だね。って、どっかのオモシロメガネが言ってた。あ、もちろん手塚くんじゃないよ、だって手塚くんは鬼畜メガn・・・・・・あ、いやなんでもないです。
「・・・・・・とんでっけぇー」
「またアニメにハマったのか?」
「ううんーこれはコミカライズ版さくっと立ち読みしただけー」
てゆうかてづちん、君はどうしてこの歌がマク●スって知ってるのかな。追及はしないけど。
「むー・・・」
「ほら、この問題が終わったら休憩にしよう」
「あいさー」
てづちんの話はわかりやすいです。名前があたまわるいから理解できないのです。こんなだめだめな名前に、それでもいろんなことを教えてくれようとしているてづちん、ちょーやさしい。何でこんなにやさしくしてくれるんだろうね。
名前は駄目な子です。眠いです。隣で手塚くんが因数分解について、これでもかと言うくらい丁寧に噛み砕いて説明してくれてるのに。
手塚くんの声、気持ちいい。低くて、優しくて、心地いい。眠くなってくる。ごめんなさいてづちん。勝手にあだ名付けてることも、お話の途中で寝ちゃいそうなことも。
「ぐー」
「寝るな」
「・・・すぴー」
「・・・・・・・・・・」
はぁ、って深い溜め息。これはてづちん。どしたの。むにゃ。名前が寝ちゃったからか。
くしゃ。って。あたまに。
なにか あたたかい ものが
ぽす、って。
きもちい。なに。だれ。てづちん?
「名前」
はいはい。なーに?
「・・・・・・名前」
うんうん、どしたの。
「・・・・・・・・・・・・・」
そーっと。
唇に、何かが、触れて、離れた。
「・・・・・・名前」
そんなお前が、
どうしようもなく好きなんだ。
そっと耳元で囁かれた言葉に頬が熱くなるのは仕方ないことだろうけど。
わたしは、見逃さなかったよ。
てづちんの顔も、まっかっかだったこと。
さすがにこれは、計算できなかった?
なんか、もう、もうね、しあわせすぎてね、ねたふりを。つづけようとおもうの名前ちゃんは。数学はね。おもしろくないけどね。てづちんはね。だいすきだからね。もちっと、がんばろうとおもうのね。もうね、いっぱいがんばるの。ねむいなぁ。むにゃ。
こつん。となりにもいっこ。あたま。てづちんの。
おつかれさまだね。せいとかいちょーさん。ぶちょーさん。わたしのこじんかていきょーしさん。
おやすみ。おやすみ。しあわせなゆめがみれますように。
キスに見る夢のつづき***title by わたしでだれか***
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テニスの王子様から我らが手塚部長!
置鮎さんの声が素敵過ぎるなぁ・・・・・・と思って書いちゃいました。
20110622 ちさと
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