ふわふわカスタードな君

隣の席のふわふわ頭が好きになったのはいつからだったろう。

甘い甘いミルクココア色の髪の毛。とろんとしたはちみつ色の瞳。
なんておいしそうなやつなんだ、って思った。


水谷文貴は不思議な人だった。
初対面にもかかわらずにこにこ笑って話しかけてくるし、メアドとかすぐ聞いてきたし、あんなふわふわ頭なのに野球部だし。
引っ込み思案で文化系のわたしとは全然違うやつだった。


「みょうじさん、」


にこにこ笑ってる。いつもみたいに。
でもね、わたしは知ってる。そのやさしさは、みんなに向けられているんだって。


「予習してくるの忘れちゃった、ちょっとノート見せて?」


だけど、わたしは知ってる。
こんなことを言ってくるのは、わたしにだけだってこと。


水谷文貴は不思議な人。
甘い甘いふわふわカスタードの声をしてる、わたしの人生史上、いちばんわかんない人。





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