膝枕

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「ごめんな、白石。」
『かまへんよ。勉強なんていつでもできるで。』
「ありがとう。来週は絶対行くから。」
『おん、ほならな。』

ピッ、という小さな電子音がしたあと、白石の声は聞こえなくなった。

「さて、と。」

日曜日の昼。
突然届いた光からのメールに驚きながらも、私はすぐに準備を済ませた。
今はまだ夏ではあるが、中学3年、･･･受験生になった私は普通なら白石とともに図書館で勉強をするべきなのだろう。
せっかく誘ってくれたのに、悪いことをしてしまった。

「（けどなあ･･･。）」

こんなメールが届く日が来ようとは、思ってもいなかったわけで。
騒いでしまうと母に怒られてしまうため、静かに準備を済ませたが、正直なところテンションが上がりに上がっている。
デレないことで有名なあの光が。

『会いたい。』

なんて、たった四文字のメールを送ってくるなんて。
いつもなら『梨香さんってほんま暇人ですね。しゃーないから構ったりますわ。』みたいなのばかりだというのに。
今日の光は可愛いなあ。いや、いつも可愛いけど。
とりあえず何が言いたいかというと、こんなメールが届いてしまっては、彼女として何もしないわけにはいかないということだ。


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