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インタビューシリーズ

- 白石蔵ノ介の場合 -

「インタビュー?」
「せや。全国の学校の新聞部で企画してんねん。”学校で一番目立つ集団といえば?”って聞いたら満場一致でテニス部でな。せやったら、折角やし全国の中学男子テニス部に取材しちゃおう!っちゅー話でな。」
「で、一番最初は俺っちゅーことか。」
「理解早うて助かるわ。」

白石にマイク代わりとしてシャーペンを向ける。

「ほなら、早速いくで?テニス部部長の白石くんは無駄がなく完璧で、聖書(バイブル)って呼ばれとるけど、実際のところ手抜いたりせえへんの?」
「いきなりすっごい質問やなあ、手加減なしか?」
「じゃあ言い方変えるわ。完璧なんてそんなん大変ちゃうん?」
「まあ、せやなあ。大変っちゅーか、つまらんわな。派手な技とか出すわけちゃうし。」
「あーあれや、派手な大技のほうがかっこよく見えるけど、勝つためには地味でも着実に点取るほうが体力的にもええわな。」
「よう分かっとるやん。」
「ふーん、白石くんのテニスに対する考えは分かったわ。んじゃあ、次な。」
「結構ペース早いんやな。」

メモ帳にささっと白石の喋った内容を書き留めて、一息つく。

「えーっと、これ他校生からの質問なんやけどな。デート行くならどこ?」
「は?」
「いやこれ、結構女性向けの新聞にするつもりでな。テニス部イケメン揃いやしさあ。」
「いやいやいや、そういうとこまで聞くんかいなこれ。」
「ええやん。新聞読んだ誰かが白石くんファンになるかもしれへんで。モッテモテやな。」
「やめてや、そういうん・・・。」
「ああ、白石くん逆ナン苦手やったっけ。そらファン増えてほしないわな。」
「あかんて、それちょっと俺の印象下がらん?」
「なんで印象気にしとんねん。」

ずずいっ、とシャーペンを近づけて白石に答えてもらう。

「はい、デート行くなら!?」
「・・・植物園。」
「理由。」
「植物好きやから・・・。特に毒草。」
「やろうな。ありがとう、白石くん。盛りに盛って記事に書いておくからな。」
「やから、そういうのやめてくれへん!?」
「なんやもっと恥ずかしい質問してほしいんか?んじゃあ、女性の好きな部位は?腰か?胸か?鎖骨好きそうやな、白石くん。それともあれか?唇とかキザったらしいこと言うタイプか?キスまでのムードの作り方とか聞いてもええ?男性にも売れるかもしれん。」
「頼むから勘弁してくれ・・・。あかん、そんなん答えられへん・・・。」
「顔真っ赤やな。はーい、こっち向いてー。」
「え・・・。」

カシャッ。

「白石くんの赤面涙目写メゲット。これはレアやで・・・。新聞売れるで・・・。」
「インタビュー前に撮った写真にして!お願いします!」
「どーしよっかなー。」
「あかん!俺が死んでまう!」
「んじゃ、次の取材あるから。」
「えええええ!!?」


(次は逃げ足速い奴やなー。)





※最後に名前をつけてくれると嬉しいです。
 お返事は「re:」にて。

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