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たまっていた風紀の仕事がもう少しで終わりそうだというのに何故かある違和感。

何故なのか分からなく半ば投げやりにペンを走らせていると、電話の着信を知らせる音が鳴った。
相手は見なくても彼女だとすぐに分かった。きっと委員会の仕事が終わったというような連絡だろう、

と思ってたのに通話ボタンを押しても何も聞こえてこない。



電話をかけてみるがコール音がするだけでいっこうに出る気配はない。

さっきから感じている違和感が、さらに大きくなった。


(今の時間なら多分図書室、かな)


持っていたペンを置いて席を立とうとした。


だが、彼女の元へ行こうとする僕の意思は突然の来訪者に妨げられた。


「失礼!あなたが並盛中雲雀恭弥」
「誰?君?」

「至門中学3年、鈴木アーデルハイト。これより、この応接室は粛清委員会に明け渡してもらいます」
「粛清委員会?」
「ええ。この学校の治安は並中の風紀委員会ではなく、至門中の粛清委員会が守ります」


急に現れた女。粛清委員だか何だか知らないけど、風紀委員会を辞めさせたい気があるらしい。


「ふうん、面白いけど…それには全委員会の許可が必要になるな」
「もう許可は取りました。力ずくで」
「…!」



その証拠に彼女の手には瀕死状態であろう数名の委員長の写真と、全委員長の血判が印された紙があった。

ここでようやく違和感が消えた。



「従わないのなら、」
「一つ、質問に答えなよ」
「何ですか?」
「それは君がやったのかい?」
「ええ。風紀委員会を除く11の委員会の内、6つは話し合いにより同意。残り5つは反対派でしたが、粛清により“同意”していただきました」



机に置かれた写真と許可証。
重なっている写真をずらして出てきた写真に、一瞬で血の気が引いた。


赤い血にまみれたあの子がそこに写っていた。



「その人なら、他の人たちより大分粘り強く少々手こずりました。体力はともかく精神力はそれなりに強、っ!」



思い切り振りかざすもトンファーは女の前髪をかすっただけだった。
コイツはそれなりに強い。戦ったら面白そうだ。
けれど今はそれよりも。


「君は、ぐちゃぐちゃに、咬み殺す」



だなんて妄想していた継承式編初期のころ。



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