「え?これはどういう状況なの」

「え!なにか不満でもあるの?」


不満しかないよ。

一体何故私は拘束され恋人の前に横たわっているのか。
そして何故そんな私を前に彼はにこにことベッドの上から見下しているのか。

全く持って意味が解らない。

私はただ誕生日プレゼントが決まらずお決まりの「プレゼントはわ・た・し(ハートマーク)」を実行しただけなのに。
…あっ、それが原因か。


「つまり弘樹はずっと私を縛って眺めていたいと?変態さんだったの」

「違うよ!縛って口には出せないようなことしたいなって思ってるだけだよ」

「どっちにしろ変態だ!!!!」


前々から薄々感じてはいたものの彼はどうやら加虐嗜好があるらしい。
まさかこんな軽いSMプレイを強いられるとは昨日までの私には少ししか予想できなかった。(少しはできた)

どうにか手の縄だけでも解けないかと体を捩ってみるけどどういう縛り方をしているのかびくともしない。
それどころかそんな芋虫状態の私を見て弘樹はずっとニヤニヤしてて凄く恥ずかしくて、目には涙が滲んできた。

流石に泣いている彼女を無視して無理やり行為には及ばないだろうと高を括っていたのだが私の常識は変態には通用しないらしい。


「なんか名前凄いエロい。ドキドキする!」

「ばっかじゃないの!?!?」

「…強気な態度とってるけど拘束されて何もできない無力な名前を見ると凄くドキドキする」


改めて口に出されると本当に恥ずかしいから止めて欲しい。

しかし衣服の下から弘樹の素足が入れられてその冷たさに思わず情けない声が出てしまい顔を覆いたくなるほど恥ずかしくて顔が真っ赤になるのがわかった。

それがお気に召したのかスススッと脇腹に足を滑らせてくるのでもう、ほんと!!


「ひぃ…!や、やめっ!」

「可愛いなぁ…うん、凄い可愛い」

「っふ…ぁあ!こしょっ…ば…!ちょっ、ほんと!」

「ふふ!まだ今日が終わるまで時間はたくさんあるんだ」


だから今まで我慢してた分楽しませて?


その台詞を聞きいて次からはきちんとしたプレゼントを用意しようと心に決め、どんな彼でも受け入れようと思う私であった。


パターン15.ドS男子 ※


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