04


昨日の今日で私はまた理科室に来ています。

でも昨日みたいに好奇心の結果じゃなくて今回は先生のお手伝いです。ようはパシリです。
いつもなら先生に捕まったことに地団駄を踏んでいたところだが今日はまたあの美少年、戸崎君に会えるかも、という淡い期待を抱いてわざわざ理科室まで先生の忘れたプリントを取りに来てやった、精々感謝するがいい沼田先生…!


「失礼しまーす…」

「…またアンタですか」

「あ、戸崎君!」


期待通り戸崎君を発見したけど、なんだかまた違和感…休み時間に会った戸崎君はもうちょっと、なんというか雰囲気が柔らかかったような気がする。

まあちょっとクールな戸崎君も素敵だけどね!

というか今気づいたけど戸崎君ストレートになってる。
一日の間に凄い髪型変えるんだな…あ、元がストレートでセット崩れちゃったのかな。


「きちんと生徒手帳は届きましたか?」

「うん、ありがとうね」

「礼なら兄に言ってください」

「うん!…え、兄?」

「届けたのは、双子の兄の戸崎湊です。俺は戸崎奏」

「かなで…?」


今気づいた。

これはもしかして、私は確認しようとした七不思議に遭遇している…?


「学校の七不思議…?」

「…またそれですか」

「え、なんかごめんなさい」

「もう慣れました」


そういうと彼はため息を吐いて顔をそむけた。

こんな時に言うもんじゃないかもだけど美少年はなにをしても絵になるからずるい。


「俺達はきちんと、2人いますよ」


うんざりしたように吐き捨てる戸崎君になんだか罪悪感がわいた。

そうだよね、自分と自分の兄弟のことを七不思議にされたらたまんないよね…。

少し反省して謝ろうと戸崎君を呼びかける。


「ごめんね、戸崎君」

「いいですよ別に。それに湊はなんだかんだで楽しんでいるようですし」

「あ、楽しんでるんだ」





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