33 「っていうことが昨日あったのさ、伊勢さんどう思う?」 「どうもこうも沼田が最低で工藤がビッチということ位しか言うことないよ。あとこのことはあんまり他の人に話さない方がいいかもね」 そりゃそうだ。 誰もそんな教師の昼ドラ知りたくな…いや、ぶっちゃけ私だったら知りたいな。 伊勢さんが一人の時を見計らい洗いざらい話してみるとそんな興味のなさそうな反応がかえってきたが、手にはすでにネタ帳を握っているので探りを入れる気満々であることが目に見えてわかる。 私としてはもう七不思議の一つを解明したのであとは沼田とだったり男子生徒だったりにゃんにゃんしてくれてもどうでもいいのだが。いやいいことはないけど。 「ていうかみょうじさん今度こそ双子となんかあったんでしょ?」 「?なにが」 「私の口から言わせる気?」 「意味がわかんないよ伊勢さん!」 「そんなさぁ、私達バリバリの現役高校生なんだから大人のセックスしてるとこみたらなんか間違いがあったっておかしくないでしょ?」 「あってたまるか!!ないよ!?間違いなんてなかったよ!?」 毎度毎度生々しいよ伊勢さん!そんなに間違いが起きることを期待してたの!? この場に美園ちゃんがいなくてよかった…居たら絶対悪乗りしてくるもの知ってるよ私は。 あ、そういえば。 「私、工藤先生と目合っちゃったかもしれないんだよねぇ」 「…まじで?」 「たぶん。どうしよう、ばれてるかな…保健室行ったばっかりだし」 「部屋暗かったんでしょ?大丈夫じゃないかな」 「でももし見られてた場合もう在学中保健室いけないよね」 「あー…食われるかもね」 「あの先生女もいけるの」 「いけるらしいよ、確か昔彼女いたって…」 「うわぁあああ!」 そんな事実知りたくなかった!! 「間違いが起きたらよろしくね、みょうじさん」 「他人事だと思って…」 ケラケラと笑う伊勢さんを恨めしく睨みつけても「だって他人事だもーん」と全く気にも留めなかった。 あれ、友達ってなんだっけ…ていうか何で基本私いじられキャラなんだろうつらい。 でもその後伊勢さんに頑張んなという言葉と共に期間限定のチョコレートを貰ったのであっさりと機嫌が直ってしまう単純な私を誰か殴ってください。 あ、嘘嘘!殴んないで!やめてよ奏くん!冗談だから! はい!チョコレートわけてあげるから!…あ、全部食べないでぇええ! |