31 一度下校し夜再び学校へ。 相変わらず双子の送り迎えは私の仕事のようです。 まあこんな可愛い子たちが襲われたらたまんないんで仕方がないと割り切っていこうと決心しました。 万が一私が不審者に襲われるようなことがあれば白目むいてブリッジしながら逃げろと奏くんに言われたけどそれやったら間違いなく女としての何かが死ぬと思うから最終手段として心に留めておくことに。 「あれ、保健室なんかうっすら電気ついてる…」 二回目だしそれほど怖くなくなってきてるから前回よりも周りを見れるようになったので注意深く周囲を調べてみると遠くの保健室が若干明るいことに気がついた。 もしかしたら前来た時もついてたかもしれないけど前は保健室行く前に帰っちゃったしなぁ。 あっ電気消えた。 「本当に行きますか?先輩」 「え!奏くんもしかして怖いの??ええー奏くん怖いの!?」 「鬱陶しいな…」 「ひぃ!ごめんなさい!」 「なまえせんぱぁい、行くなら行きましょお?僕もう眠いです」 「昨日夜遅くまでゲームしてるからだよ」 「だってぇゾーマ倒せないんだもん」 「湊くんドラクエするんだね!私は今9やってるよ」 「…行くんですか行かないんですか?」 段々と奏くんの眉間にしわが寄ってきているので慌てて行くと返答するとじゃあはやくしろと怒られた。 でも今度湊くんと一緒にドラクエやる約束したからダメージは小さい!楽しみ! と、いい加減にしないと今度こそ奏くんにしばかれるので足音を消して保健室に近づいていく。 あーなんか凄いドキドキする。緊張で口から心臓出そう。 双子は相変わらず一人は笑顔を一人は無表情を突き通して私の後をついてくるのでこれ無言で突然追いかけられたら間違いなくお化け屋敷より怖いだろうなぁと考えていた。 「お願いですから扉開けてる最中物音たてるなんてベタな真似しないでくださいね」 「それなんてフラグ?」 「じゃあもし物音たてたらなまえ先輩鼻からスパゲッティ食べてくださいね!」 「それは約束できないなぁ…先輩そんなことできないから…」 後輩の無茶ぶりに冷や汗が止まりません…やだよ…出来ない約束はしないよ…。 鼻からスパゲッティ食べることを強要されないためにも細心の注意を払い、そっと保健室のドアを開ける。 大胆に開けたら気づかれてしまうので10pほどを慎重に…しんちょって湊くん押さないで!わざとだろ!にやけてんじゃん! 「ん…」 「はぁ…ぁあっ」 え…なんの声これ。 保健室から聞こえるやけに色っぽい声に思わずそのままフリーズしてまった。 |