20 「ぐわー!テスト帰ってくる!帰ってくるよ伊勢さん!」 「うるさい」 「痛いッ!」 テストが返ってくることにテンションを上げ過ぎて騒ぎまくっていたら伊勢さんにチョップかまされた。 最近みんな私の扱い酷いんだけど気のせい?気のせいなの? 「気のせい気のせい」 「!?」 「みょうじさん顔に出やすいんだよ」 と言いながら伊勢さんはデコピンしてきた…これも愛だよね?そうだよね? 顔に出やすいのは昔から周りの人に言われ続けてきたのであまり気にしない。こればかりは無意識だから直そうにもどうにもならないから…。 先生が入ってきたので話は中断して席に戻る。 この時間は待ちに待った双子と勝負している国語のテストの返却日。 ちなみになぜ国語なのかというと私は国語しか得意といえないことに気がついてしまったからだ。情けなくて泣ける。 ドキドキしながら順番を待っているといつの間にか呼ばれた私の名前。 …ドキドキしすぎて聞き流してた…。 「みょうじ今回頑張ったなー」 「まじっすか!」 「いつもよりだいぶいいぞ、この調子で次も…」 「うぉおおお!!」 「最後まで言わせて?」 受け取ったテストをみて思わず先生の言葉を遮ってしまった。 でもでも!今回のテスト!すっごい点数いい!こんなにいい点数取ったの小学生以来だよ…! ルンルン気分で放課後を待つことができそうだ。もちろん双子に会うために! そして着々とテストを返されていき、迎えた放課後。 どの教科も勉強の成果が出ていて英語なんていつもより十点も上だ! 自慢しようと伊勢さんと美園ちゃんに見せたら驚かれた挙句槍が降るんじゃ…?と2人ともいつかのお母さんのような反応をしてくださいました、相変わらず失礼だ。 でも私は知っている。サッと隠した2人のテストの点数は私よりはるかにいいことを…。 ほら…国語は…国語だけは私クラス一番って先生言ってたから…元気出して私…。 「…先輩、なにしてるんですか?」 「あ、奏くん」 「入るなら入ってください。いつまでもそこにいられると邪魔です」 「ごめんごめん!」 いつの間にか理科室の前に着いていたようだ。意識が飛んでた。 「なまえ先輩テストお疲れ様ー!」 「お疲れ様―!帰りになんか食べてかない?」 「いいですよぉ、もちろん奏も一緒にね!」 「は?俺はいい…」 「奏くんは強制連行するからいいよ!」 そういうと奏くんはいつもの嫌そうな顔をした後諦めたようにため息を吐いた。賢明な判断だと思う。 そして私はそうだと声を上げて鞄からがさごそとテストを取り出す。 本日の本題に入らなければ! 「国語のテスト返ってきたよ」 「じゃあせーので見せ合いましょうか」 「…はぁ」 奏くんが黙ってテストを差し出してきたから湊くんがそれを捲ることに。 「いくよ?せーの」 |