11 「あ、なまえせんぱーい!」 「湊君!」 今日は理科室で湊君とお勉強だ。 伊勢さんと美園ちゃんも誘ったのだけど伊勢さんは寝たい、美園ちゃんは家庭教師が来るからと下校してしまった。 勉強が出来るからと伊勢さんは余裕ぶっこいているのだ、とても悔しい。 だが、今回は珍しく私も勉強しているのでせめて得意の国語くらいは伊勢さんに勝ちたい…! 「ということで湊君今日もよろしくね!!」 「?よくわかんないけどよろしくおねがいしまぁす」 きょろきょろと辺りを見回してみるけどやはり戸崎君の姿はなかった。あ、弟の方ね。 気が向かなかったのか何か用事があったのか、どちらかわからないけど残念。戸崎君の教え方わかりやすかったからなぁ。 先輩としてどうなのとか言わない。 「ねね、今日とざ…奏くんは?」 「なまえ先輩、僕だけじゃ、いや?」 「嫌な訳ないじゃないですかー!もー!!」 「うふふ、ですよね」 湊君は席についているので上目使いで私の顔を見つめてくるので可愛くて可愛くて胸がキューっと…ってあれ、昨日もこんなことがあったような・・・。 昨日の今日で双子についての情報が更新された。 こいつら、自分の魅せ方をわかってる…! まんまと罠にかかりますよ、ええ、美少年に敵う筈がないじゃないですか。 ちなみに美少女にも弱い単純な人間です。でも多分世の中みんな美少年少女には弱いと思う。 うんうん、と自分に同意しているのを湊君に不審者を見る目で見られていることには気づかなかった。 「なまえ先輩、いくら僕が可愛いからって手を出さないでくださいね?」 「お、おう!」 「さぁて、勉強しましょうか」 「あっねーねー湊君」 湊君の隣の席に座りながら呼びかけるとなんですか?と彼は顔をこちらに向けて答えてくれた。 「テスト、国語の点勝負しようよ」 「いいですけど、僕先輩には負ける気しませんよ」 「正直だね君…でも今回はなんかいける気がするから!」 「じゃあ奏も誘いましょう!その方が面白いし」 「お、いいねー!じゃあ負けたら罰ゲームね!」 「いいですよぉ」 俄然やる気が出てきた。 悪いけどこの勝負、負けるわけにはいかないのだ! |