バイバイサヨナラ (狩屋/嫌われ※メンヘラ主)


マサキ。
マサキマサキマサキ。
私のマサキ。
ずっとおひさま園で一緒にすごしてきたマサキ。
私のマサキ。
一緒にサッカーをしたマサキ。
私のマサキ。
かわいいマサキ。
私のマサキ。
かっこいいマサキ。
私のマサキ。
私のマサキ。
私のマサキ。
私のマサキ。
私のマサキ。


私は養子として引き取られ、おひさま園を出た。
でも学校ではマサキと一緒だった。
でも、


「勝手に転校したの、なんで」
「…サッカーしたくてさ」
「前の中学じゃできないっての!?」
「サッカーの名門だから、雷門は」
「名門サッカー部じゃなくてもマサキが練習できたらそれでいーじゃん!!」
「そういうわけでもないよ。名門ってだけあってきちんと集中できる環境があるの」
「…私のことはいらないの?私になんで何も言わなかったの?転校するとかちょっとくらい相談とか、さあ」
「つばさは…俺が転校するなんて、絶対認めないじゃんか」


え。
マサキ。
何それ。
何その顔。

呆れてる?
私にうんざりしてる?
ため息なんか、ついちゃって。


「だって…私マサキがいなきゃやだよ!」
「…俺はつばさがいなくても、やってける」
「マサキっ…」
「もう俺うんざりなんだ。つばさの面倒ばっか見てらんない。俺には俺のやりたいことがある」
「マサキ、そんな、」


私を見るマサキの表情を見て、涙があふれた。
うそだ。マサキに嫌われてるの?私。

笑ってくれないマサキ。
怖いよその顔。
やめてよ。やめてよやめてよやめてよやめてよやめてよやめてよやめてよやめてよやめてよやめてよやめてよやめてよやめてよやめてよやめてよやめてよ。


「…俺にはサッカーがあるんだ」

「…私にはマサキ以外ないよ」

「……バイバイ、つばさ」


マサキは私の言葉をまるで聞いていないかのようだった。

後ろ姿が、ついてくんなって言ってる。
二度と話しかけんなって言ってる。

マサキはずっと私の束縛から逃れたかったんだ。

私なんか、私なんか私なんか私なんか私なんか私なんか私なんか私なんか私なんか私なんか私なんか私なんか私なんか私なんか私なんか。

私なんかいらないんだ。みんな。みんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんな。


マサキ。マサキマサキマサキ。
大好きな、私のことを大嫌いな、マサキ。


「サヨナラ、マサキ」


        バイバイサヨナラ

  


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