「足痺れた…」

「大丈夫?」

「うん〜…」

「マッサージしようか?」

「お願いー…」




title[拗ねたもの勝ち]





変な姿勢で寝転がっていたせいか足が痺れた様子。普通より重い身体へ無理に負担をかけたせいだろう。指の腹で優しく筋肉を解してやると、気持ち良さそうに布団へ顔を埋めて動かしたりする。

「えへへ、ありがと〜」

「どういたしまして」

「赤ちんも寝転んじゃえっ」

「…わっ!」

ぐいっと服を引っ張ると安易に赤司は倒れた。こてっとスポーツマンにしては華奢な身体は布団へ落ちる。二人では少し大きめなベッドがスプリングを鳴らす。

「敦、危ないじゃないか…」

「…ごめんね〜」

「まぁいいよ」

頭を撫でてやると表情は柔らかくなる、まるで幼子。巨体の反面性格はまだまだ無邪気な子供である。赤司はそれを見てこっそり微笑んだ。

「赤ちん、ちゅーしたい」

「…今?」

「うん。ちゅっ」

「んうっ」

口を塞ぎ幾度息を漏らせば唾液の音も聞こえてくる。さっき食べたプリンの甘い味が双方に伝わり、紫原はそれをまだ求めるかのように舌を絡ませた。キスを終えて少々顔を火照らせた赤司はこちらを見る。

「敦、」

「なぁに〜」

「今日は、ここまでだよ」

「え〜…」

「また明日相手してあげるから」

「む…」

調子が乗ったところを制止され、拗ねた紫原は赤司をぎゅっと強く抱き締める。顔が近距離になりお互いの息が耳へ響く。抱き締めた身体は自分より30p以上も小さい、紫原にとって赤司は子供のように小さく映る。大人な子供、子供な大人。時より触れあう身体がピクリと動く。

「暑いよ、敦」

「いいの〜」

「よくないよ」

「赤ちんが可愛いから」

「敦のほうが断然可愛いと思うのに」

「赤ちんのが可愛いっ」

「あまり言われると恥ずかしい」

「えへへ」

その言葉と共に赤司は首に舌を這わせるような感触に出会う。唾液と舌が首筋をなぞる。力強く抱き締められた身体は言うことをまだ聞いてくれない。大きな子供に包み溶かされてしまう。


「んっ…やめろ敦」

「ちょっとだけ」

「うっ…ぁ…くすぐった、い」

「赤ちんには生クリームかけて食べたい」

「むちゃくちゃ言うな、ぁ」

肩に顔を埋めて肌を舐める紫原。美味しいかどうかなんて彼にしかわからないが全くこの食欲である。口を離すと辺りは唾液と噛み痕が残っていた、本人が嫌がりそうなとこにキスマークも落とした。赤ちんは、オレの。とでも言いたいようなものが含まれている。そこをもう一度舐めると声が出る。

「…っやめろ、悪い子にはお仕置きだ」

そう言うと赤司は紫原の頬をつねった。赤子のような柔らかい感触を楽しみながら双方へ引っ張り続けると、紫原が観念したかのように赤司を突き放そうとする。


「痛い痛い痛い!!赤ちん痛いよ!!」

「じゃあこれでどうだっ」

「あう、はうう…」

頬をむにむにといじると、涙目になっていたのでこれくらいで観念してやろうと手を離してあげた。顔を見ると頬と眼の周りがが紅く変化している。どこか色っぽく感じてしまう。

「むぅ…」

また拗ねる紫原を慰めようと軽いキスを落としてあげる、これで勘弁してくれるだろうと。

「おやすみ」

そして赤司は一枚布団を被り踞って眠りについた。紫原は少し唖然としていたがすぐにえへへ、と笑ってから赤司の隣で眠った。



*
ちょっとイチャイチャさせすぎました。久しぶりに書いたのでなかなか感覚が戻りませんね…。









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