なぁ、花宮。人間始まりは神様が作ったアダムとイヴ?とかいう男女からだってよ、知ってる?まぁ花宮なら知ってるよな。二人して禁断の果実…まあ林檎みたいなのを口にすんの。食べちゃあいけないのに、悪魔に惑わされて食べちゃうんだよ。そのせいで神様の怒りを買っちゃうわけ。…そこは置いといて、二人とも愛し合ってたんだろうなぁ。男女でないといけない愛なんて神様も惨いことやってくれるわ、ホント。たとえば、子作りとか、ね?


title[興味本意で冒険する]


別に男同士仲良く愛交わしたって罰は下らねぇよな、実際に神様の種類んなかでもそういうのいた気がするし。そんな中で女同士の恋愛は綺麗とか言われてっけどまるで男同士がキモいみたいな言い方じゃん?だからさ、俺たちも綺麗な恋愛とやらをやってみようぜ?女にできんだから、男にだってできるって。な、花宮。そんな顔しねぇでちょっとやらしいこと、してみない?
にっこり口を笑わせて言う。原の足元には踞る花宮がいた。荒い息をなんども漏らし、こちらを睨み付けてきた。人って案外脆くね?期待はずれではあったものの自分がこうなれば、同じようなもんであったはず。そう思いながら原はしゃがみ、花宮の前髪を掴んだ。

「これでも急所はずしたほうだけどなぁ、真ちゃんよー」

「るせぇっ…、はぁっ、」

出血多量で死んじゃったりするかな?そしたらまずいな、まだ悠々と人生送りたいしそろそろ病院送るべき?あー、救急車呼ばなきゃな。指した場所は鎖骨と肩の間あたり。ハサミでグッと、ね。下手したらバスケできなくなるんじゃね?こりゃまたやばいな。花宮に殺されかねねぇわ。まぁ現に俺が殺しかけてたけど。死にやしない、大丈夫っしょ。だが、この現状をどう説明しようか、走ってたらハサミがつい花宮の肩に刺さっちゃったんです!なぁんて、偶然にも程があるようなもの。どうにか口実合わせねぇと。

「救急車と俺どっちがいい?」

「きゅ、う、きゅう、しゃっ…呼べよ、まじで…」

血って沢山出るとこんなんなるのかな?そういやさっきから俺が刺したと思ったとこと花宮が抑えてるとこ違うような…。もしかしてちょっとヤバイとこやっちゃった!?興味本意でしてしまったことに後悔をする、後から自分に降りかかる責任が重い予感がした。とりあえず電話で古橋と瀬戸、山崎を呼び出して連れてきた。

「どうした…っておい、花宮!大丈夫か!?」

「原…お前なぁ…」

「ちょっと俺救急車呼んでくるわ!!」

山崎が携帯を取りだし少し離れたところから電話をかける。古橋は部室に戻り救急セットを掴んでくる。瀬戸には鉄拳をくらい、やっちまった、と言う。やっちまったって、まじで殺っちまう所だったろ!!!洒落になんねぇわ!!瀬戸が怒鳴るのは珍しいな〜とかなんとか。暫くして来た救急車に花宮を乗せ、俺たちはその後直ぐ様自転車をこぎ、病院へ行った。花宮が起きたら殺されるかな、それもありかもしんないなぁ…原は内心そんなことを思いつつ、皆からの説教を受けた。花宮は運良く心臓などに支障はなく、ただ入りどころの悪かっただけの浅い傷ですんだ。花宮、もしかして演技してたのかな?んなわけないか。

end(身体的より精神的)









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