「赤ちん、眠いよ」

「まだ寝ちゃダメだよ」

「ん〜眠い」

「ほら、あともうちょいで始まる」

除夜の鐘を聞こうと夜まで起きる。他のみんなは気づいたら寝ちゃってた。オレは赤ちんに寄り添うようにうとうと。眠いのを必死に我慢する。



title[年明けキャンディ]




「赤ちん、お菓子食べたい」

「もう食べ終わっちゃったのかい?」

「もうって、一時間我慢したよ〜」

「で、俺にどうしろと?」

「赤ちんのお菓子ちょーだい」

手に持ってる飴が輝いて見えた。きらきら光るキャンディ。オレはねだってみた、赤ちんだからくれるかなって。

「ほしい?」

「うん」

「じゃあ一緒に鐘を聞いたら、あげよう」

「本当?」

「ああ」

除夜の鐘が鳴り終わったら赤ちんごと食べちゃいたいなって思った。ふと赤ちんを見るとさっきの俺みたいにうとうとしてる。小動物みたいで可愛いなぁっと思ってたら鐘が鳴り始めた。それに気づいたのか赤ちんは目を擦る。そしたら赤ちんがおれの膝の上に頭をのせて飴を取り出す。

「はい、あーん」

「あーん」

「葡萄味、美味しい?」

「うん、赤ちんも食べなよ」

「じゃあ敦が食べさせて」

「いいよ」

オレは赤ちんの袋からイチゴ味の飴をだす。包み紙を開くところっと飴がでてくる。それを赤ちんにあげようとした、けどいまの姿勢じゃ喉つっかえちゃうなと思ったオレは赤ちんを背中から抱いて膝の上に座らす。

「あーんして?」

「…あーん」

恥ずかしそうに飴をもらった、赤ちんはするとオレの胸元に体を寄せてきた。除夜の鐘も気がつけば鳴り終わってた。

「赤ちんの事食べていいの?」

「カニバリズムは好まないな」

「違うよ〜わかってるくせに!」

そしてオレは赤ちんのことをぎゅっと抱いた。今年もよい一年になりますように!


end(飴の数より君といる時間)









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