リボーン同題SSまとめ(11/15〜11/22)
ツイッターの「リボーン同題SS」に参加したものです。
骸髑、並盛トリオ、雲髑、骸髑、綱髑、骸髑の順です。
【パパ】
「ねぇ、パパ」
一つ間を置いてハッとしたクロームの顔が真っ赤になる。何度も謝る彼女に俺も昔よくやったからと慰めた。彼女の隣にいる骸も慰めるけど同時に俺への殺気も送ってくる。
理不尽だと思う反面、彼女の行く末を案じる自分は、そう呼ばれても間違いではないのかもしれない。
【なんでもない日】
「十年前の今日を覚えてる?」
カレンダーを確認して眉をひそめ必死に思いだそうとする獄寺君とは対称的に、山本は即座に首を横に振る。
「俺も覚えてないけど、多分今日みたいに、何でもない日かな。今日みたいに、三人でいたと思う」 そう言うと、二人は顔を見合せにっこりと頷いた。
【特別】
「どうしてクロームの転入を許可したんですか?」
「赤ん坊が戦ってくれるって」
「あーなるほど」
「あと彼女小動物みたいでしょ」「え?」
「それに彼女が同じ学校の方がいいだろう」
「あの、その“彼女”ってどういう」
「特別な方だよ」
「ワーオ」
【抱】
真っ黒なマグマが煮えたぎるような感覚に陥った。彼女を部屋に連れ込み押し倒して無理矢理に抱く。ふと、彼女は一言も制止の声を上げていないのに気付いた。
「どうして」
彼女は問いには答えず、涙に濡れた瞳で微笑む。
気付けば僕は、幼子のごとく、すがるように抱きついていた。
【トラウマ】
突然クロームに服を握られた。どうしたのかと横を見ればトラックが横を通り過ぎる。ああそうだ彼女は――。
小さくなったトラックを見て、ほっと息をついたクロームに手を差し出した。
「大丈夫だよ」
彼女は不安げだった瞳を見開くと小さく笑い、手が重ねられた。
【魔法】
十年バズーカの誤射で十年前のクロームが現れた。薄汚れた建物よりはと、いつも彼女と会う幻想世界を創る。突然目の前で変わった景色に「まほうみたい」と呟いた。
「君にもいつか教えてあげます」
「ほんと?」
「えぇ、絶対に」
君の世界の僕が、死に物狂いで君を探すでしょうからね。