消えちゃった盾子ちゃん

消えちゃった。

盾子ちゃんが、消えちゃった。
さっきまで此処にあった盾子ちゃん。私の大好きな盾子ちゃん。私だけの盾子ちゃん。私の盾子ちゃん。盾子ちゃんが、消えちゃった。
ちょっとぼうっとしていたら。ちょっと唖然としといたら。ちょっとその様子を眺めていたら。盾子ちゃんが、消えちゃった。
あの人達と入れ違いで入ってきた彼らに。あの子達と入れ違いで入ってきた彼女らに。手足をもがれて内蔵は引きずり出されて目玉は抉られて。みんなみんな持ってかれちゃった。盾子ちゃんが、消えちゃった。
盾子ちゃんが、消えちゃった。盾子ちゃんが、消えちゃった。盾子ちゃんが、消えちゃった。盾子ちゃんが。盾子ちゃんが。盾子ちゃんが。盾子ちゃん。盾子ちゃん。盾子ちゃん。盾子ちゃん。盾子ちゃん。
じゅんこちゃんが、わたしのまえからきえちゃった。
わたしの絶望が。わたしの希望が。わたしの未来が。きえちゃった。

「かえしてよぉぉ……」

ぐずぐず泣く事しか出来ない私は置いてかれた盾子ちゃんを抱き締めた。うぷぷって笑ってくれた気がした。