その場を去った俺達はあるものを見る。 リボーンの手配した六道骸の写真だ。
「ひっ!こいつが六道骸…!」
写真には真ん中に六道骸、そのサイドには昨日獄寺くんと戦った敵とさっき山本と戦った敵・城島犬がいた。
六道骸は黒い髪をして頬に何か模様が入っていて…なんとも強そうな雰囲気が出ている。
でも……
「……」
何故だかこの写真の六道骸に違和感を感じた。
…気のせいだよな、そんなの。 違和感も何も俺は六道骸に会ったことはないんだから。
俺は自分にそう思わせたんだ。
そして先を進む中、たくさんの敵に遭遇した。 女子や鳥連れのおじさんや…。
おそらく…いや、100%骸の仲間だ。
どうやら脱獄はメイン三人組以外にも数人いたらしい。 それらの脱獄犯はリボーンが持っていた写真と顔が今まで戦った相手と一致した。
苦戦はしたけれど、なんとかみんなの力を合わせて倒せたのだが…。
「隠れてないで出てきたら? そこにいるのは分かってるのよ。来ないならこちらから行くわよ」
どうやらその時、ビアンキが何者かの気配を感じたようだ。
俺達には分からなかったけど。
そしてビアンキがポイズンクッキングを手にして木の方に近づく。
すると、そこにいたのは杏以外に行方不明になっていた―…
「ま…待って、僕だよ」
「「「フゥ太!」」」
フゥ太だった。
フゥ太が木の影からいつものようにランキングブックを持って出てきたのだ。
そうか、フゥ太も人質だったのか。
「こ…こんなところに」
「逃げてきたんじゃねーのか?」
「と…とにかく良かったー!元気そーじゃんか〜!」
俺は安心して笑みがこぼれた。 良かった、本当に。
しかしそう思ったのは束の間だった。
「みんないるからもう大丈夫だぞ!さあ一緒に帰ろーぜ!」
あとは杏の行方を知って骸を倒せばいい、そう思ってフゥ太のところに駆け寄る。
だけどそこでフゥ太に言われた言葉で俺の動きは止まってしまった。
「来ないで、ツナ兄。
僕…もうみんなのところには戻れない。
骸さんについていく」
「な…何言ってんだ?」
俺は一瞬言葉を失った。
なんでそんなことを言うんだよ、フゥ太は!
そして次のフゥ太の言葉もまた俺達を驚かせた。
「でも…杏姉は助けてあげて」
「!え、杏!?」
杏…?
どういうことだよ、フゥ太!
フゥ太は杏に会った…?
「さよなら…」
「ちょっ、待てよフゥ太!!」
俺はそう言って森の中へ逃げるフゥ太を追いかける。
「10代目!深追いは危険です!」
「どーなってんだ?」
後ろから獄寺くんと山本の声が聞こえたけど俺は無我夢中でフゥ太を追いかけた。
だって……
あんな悲しそうなフゥ太を無視出来ないだろ?
いろいろ聞きたいこともあったけど、でもそれ以上にフゥ太のことが心配だ。
だから俺は追いかけた。 とはいえこの森は深く、フゥ太は見つかりそうにもない。
森をさまよい続けた俺は少し広いところに抜けたのだ。
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