「並盛中学2−A出席番号8番……獄寺隼人。
早く済まそう、汗……かきたくないんだ」
場所は並盛商店街。
早退をした獄寺は商店街を歩いていると眼鏡をかけた黒曜中学の男に声をかけられたのだ。
「んだてめーは?」
「黒曜中2年柿本千種。 お前を壊しにきた」
ただの不良から喧嘩を売られただけだと思ってた獄寺だがそれは大きな間違いだと気づく。
何故ならこの黒曜中の柿本千種と名乗る男。 殺気といい戦い方といい、普通の中学生でなくプロの殺し屋だと判断したからだ。
「黒曜中だ…?すっとぼけてんじゃねーぞ。 てめーどこのファミリーのもんだ」
そしてこの男・柿本千種の目的は―――…
「やっと…当たりが出た。
お前にはファミリーの構成ボスの正体、洗いざらい吐いてもらう。
そして…柚木杏についてもだ」
「なに!?」
ツナと杏だった
「狙いは10代目…と何で杏なんだよ!」
「…お前に話す義理はない」
獄寺はツナが狙われてしまうのは納得は出来ていた。 ツナがボンゴレ10代目ボス後継者だからだ。
だけど杏の名前が出てくるなんて思ってもみなかったのだ。
柿本千種が杏を狙う意味は分からない。 だがとにかく…
「(ぜってー食い止めねーと…!)」
ツナを狙うにしろ杏を狙うにしろ絶対にこの男を止めなければならない。
獄寺はそう決意してダイナマイトを持ち構え、千種と戦い始めた。
並中に向かった私とツナ。
だけど隼人は早退してしまったらしく…。
どこに行ったのかは分からないけどとにかく早く伝えなきゃいけない、そう思っている私達は並盛商店街を走り回っていたのだ。
すると、大きな爆発音が聞こえてきた。
「今の爆発音…隼人のじゃない?」
「そんな気がする、あの通りから聞こえてきたような…」
もし隼人からの爆発音だったらおそらくダイナマイトの音だろう。
ツナに聞いてみても私と思っていることと同じようだ。
その音の方へ進んでみるとそこにいたのは―――…
「けっこーやばかったな」
「獄寺くん!」
「隼人!」
辺りにダイナマイトを散らばせ、地面に呑気そうにタバコを吸いながら座っている隼人がいたのだ。
隼人はすぐに私達に気づく。
「10代目!…と杏。どーしてここに?」
「いや…あの…もしかしてなんだけど… 獄寺くんが黒曜中の奴に狙われてるって…噂みたいなのがあって…」
「なっ、そのためにわざわざ!恐縮っス!今やっつけたとこっす!」
「えー!じゃあやっぱり本当だったんだー…! でも隼人が怪我なくて良かったよ」
やっぱり私達の予想通り…喧嘩ランキングの順ってのは本当だったのか。
だけど隼人に怪我がなくて良かった。 しかも逆にやり返すだなんてすごいや。
「俺は10代目の右腕だぞ!やられるわけねーよ! 相手の野郎ならその辺に転がしておいてやった…な、いない!」
突然、隼人がある一点を見て大きな声を出す。
何だろうと思って隼人が見ている方を見るけれどもくもくと煙があがっているだけだった。
しかし、代わりに声が聞こえる。
「手間が省けた」
「え?」
そう言ってきたのはおそらく隼人と今戦っていたのだろうと思えるボロボロになり血を流している黒曜生だった。
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