微かな光 | ナノ

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「おっはよー!」



今日は第7班で初めて行う任務のサバイバル演習。
…でも任務っていうか卒業試験の再テストみたいな感じだよね…。

合格しないとまたアカデミー行きだなんてなんて無茶苦茶なんだろう。
とずっと思ってたけど逆らうことも出来ずに今日を迎えたのだ。




「おはよう、ユカリちゃん!」

「………」

「ユカリってば待ち合わせ時間過ぎてるぞ!」



私が演習場に着くとカカシ先生以外はみんなそろっていた。

どうやら私は集合時間に遅れてしまったらしい。…5分だけど。
それからカカシ先生を待ち続け、結局先生が来たのは集合時間より数時間もあとだったのだ。


第7班全員、イライラ爆発!







先生がやっと来て、今からサバイバル演習が始まる。
この演習のルールはカカシ先生が持っている3つのスズを時間内に奪い取ること。
でも一人1つだから最低でも一人は学校へ戻ってしまう…。

そして奪えなかったら丸太に縛り付けられてしまううえに目の前で先生がお弁当を食べるらしい。

そういえば先生が昨日朝ごはんは食べるなとか言ってた気がする。
いやー忘れてた忘れてた…。



「ユカリってばズリーってばよ!俺も食ってくりゃ良かった…」

「ははは…でも私、朝ごはん食べてもお腹すくから!」



現にお腹すいてきちゃったしね!

そんな私をカカシ先生は呆れたような目で見てきた。



「(ユカリらしいといえばユカリらしい…)
手裏剣も使っていいぞ。俺を殺すつもりで来ないと取れないからな。

…じゃ、始めるぞ!…よーい…スタート!!」




カカシ先生の言葉で皆各自散らばり、サバイバル演習が始まった。






とりあえず、ある程度の距離感を保って先生の様子を見ることにした。

…でもさぁ、前から知ってるだけあってカカシ先生って超すごいよ?
そんな人にどうやって勝てっていうんだろう…。




「いっくらスズを取るだけとはいえ…難しすぎるでしょ…」



一人呟くだけの私。
あっという間に時間が経ってしまい、カカシ先生と手合せしてないのは多分私だけだ。
私の推測だけどね。

とりあえず、先生に見つからないようにみんなのとこに行「ユカリ〜♪どーこ行くの?」


「…げぇっ」




早速見つかってしまったようだ。
なんてタイミングが悪いんだ。



「そんな顔しないでよ。先生悲しくなっちゃうデショ?」

「……先生、みんなはどうしたんですか?」



…反応に困ったときには軽く流すのが一番だよね!
カカシ先生っていつもこんな感じだし…。

まぁでも本当にみんなはどうしたのかは気になってたし。
さっきのはあくまで私の推測に過ぎないから。



「あぁ、アイツ等は動けない状態にしてあるよ」



先生の言葉で私の推測は合っていたと分かった。

隠れてる際に聞こえたナルト達の悲鳴は聞き間違いじゃなくカカシ先生と手合わせた証拠だろう。



「やっぱり…!でも困ったなぁ…。
みんなと協力とかしようと思ってたのに…」




そう、私は隠れている間、ずっと考えていた。

どう考えても上忍相手じゃ相手になるわけがない。
だったら一対四で戦ってみたらどうだろう。

勝てはしなくてもスズは取れるのではないか、という方法が思い浮かんだのだ。





「その方法だと必ず一人丸太行きだぞ、どうするんだ?」

「、……私が丸太行きになるからいい」



私の言葉を聞くと先生はかなり驚いているようだった。
確かに自分から丸太行きになる、なんて人はいないだろう。

でも私は……




「下忍になりたい、その意志はちゃんとあるしこの演習にも合格したい。
でもその私の意志のせいで誰かがアカデミーに戻って悲しませるのは嫌。

それ以上に私は下忍という"肩書き"じゃなくて本当に強くなりたい。
私がアカデミーに戻ってもまた試験合格して絶対下忍になる。

…だから私が丸太行きになる」


「………!」




ユカリが言った意志は心からの本心なのかは分からない。

だがカカシは何かを察したようだ。






「どうしたんですか、三代目。なんだか嬉しそうですね。」

「ほほ、カカシか…。
ユカリが卒業試験に合格したとすごく嬉しそうに報告に来たのじゃよ」






「(ユカリ…)」





ジリリリリ





その時、先ほどカカシがセットしとおいた時計が鳴った。

話途中だったがユカリ達は時間と言うことで最初に集まった場所に戻ったのだ。





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