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第二試験のタイムリミット5日間のうちもうすでに時は4日目。
早く巻物をそろえなくちゃならない。
そう思っていたのだけれどーー…
「ねーえ、ユカリ」
「…はい、何でしょう」
「無理するなって言ったでしょ!」
サクラに怒られてしまった。 私が足に怪我を負ってしまったからだ。
あの音忍の時以降、サクラにチャクラ消耗が激しいからと医療忍術を使うのは禁止された。
だけどこの間の傷は結構治ったと思って「よし、頑張るぞー」なんて気合い入れて近づいてきた猛獣と戦おうとした私。 だけど思ってた以上に動けなくて怪我を負ってしまったのだ。
まだこないだの草忍と音忍の時の怪我が治ってなかったらしい。
「…ゴメンナサイ」
「全くもう!」
サクラは眉をつり上げながら私を見る。
ああ…怒らせちゃった。 いや、怒ってるより呆れてるのかもしれない。
だってさ、うん。 しょうがないよ。
試験合格したいもん。 そのために戦うしかないからさ。
そうは言ってもサクラはあまり納得していなさそうだ。
…それにしてもなんかのど乾いたなぁ。
あ、そうだ。
「サクラ!ちょっと水飲んでくる!」
「え!?ユカリちょっと!あんた足…!」
「足は大丈夫!のど渇いちゃったから許してサクラ!」
そう言ってサクラに怒られているのから逃げるように私は水を飲むためにこの場を離れた。
さっき水が飲めそうないい場所があったんだよね。 少し歩いてそこへ行くと、そこにはすでに人がいた。
「、あ」
「…よぉ」
そこにいたのはサスケくんだった。
サスケくんもどうやら水を飲みに来たらしい。
「ユカリ、お前もう怪我は大丈夫なのか」
「うん、多分大丈夫。さっきサクラに怒られちゃったけど」
私が水を飲んだ後、サスケくんはそう聞いてくれた。
私はもう大丈夫なはずだ。 …さっき怪我したけど多分このくらいなら治ると思うし。
それよりサスケくんの方が心配だ。 数日経ったとはいえサスケくんの様態の方がひどかったもん。
「それよりサスケくんは大丈夫!?」
「あぁ、平気だ」
どうやらサスケくんは大丈夫らしい。 それならよかった。
ホッと一安心してそろそろサクラのところに戻ろうかなと思ったその時、サスケくんが小さい声でボソッと言った。
「…あの時はありがとな」
「…え?」
聞こえたのはお礼の言葉。
あれ、私お礼言われるようなことしたっけ。
あの時? てかこないだもお礼を言われたような気が…。
「え、サスケくんどうしたの?なんで…」
「あの時…音忍と戦ってた時、お前の言葉がなかったら俺は…」
そう言ったサスケくんはなんとなくだけど何かに恐れているような感じだ。
ああ、あの時か。
異常なチャクラだったサスケくんを止めた時だ。
いやいやでもあれはサクラがサスケくんを止めたのに。
それを言うとサスケくんは「、違う」と答える。 違わないのにね。
「でもとにかくよかったよサスケくん」
うん、とにかくよかった。
じゃあ戻ろっか、と言おうとするとサスケくんは再びボソッと言ったのだ。
「…サスケでいい」
「、え?」
サスケでいい?
小さい声だけど確かにそう聞こえた。 それって一体どういう意味だろう。
そんな疑問が顔に出ていたのかなんなのかサスケくんは私に言った。
「っ、だから呼び捨てでいいっつってんだよ、分かったか!」
「え、う、うん?」
勢いで頷いてしまった私。
え、つまりこれからサスケくんのことをサスケって呼んでいいのかな?
サスケくん…サスケはそれだけ言うと私に背を向けて歩いていく。 私はそれについていき、その時に見えたサスケの顔はなぜかほんのり赤いような気がした。
そして私達はサクラ達のもとに戻っていったのだ。
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