微かな光 | ナノ

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今日は久しぶりに任務がない。

だけど7班に徴集がかかったのだ。


最も徴集をかけた人物は、いつも通りいないのだが。





「やあやあ諸君!

いきなりだがお前達を中忍選抜試験に推薦しちゃったから」




そして遅刻してきたご本人のカカシ先生の第一声はそれだった。




「「「中忍試験!?」」」

「そ!これ志願書ね」



声を揃えて言ったのは第7班お馴染みのナルト、サクラ、そして私。

サスケくんは声には出してないけどかなり興味津々だ。


私達の目の前にはカカシ先生が持った中忍試験の志願書。

中忍試験と言えばつい先日砂隠れの忍が言ってたなぁ。




「カカシ先生大好きーっ!」

「おい、よせ離れろって…」



ナルトは嬉しすぎるのか告白しながらカカシ先生に抱きついている。

…でもあそこまで喜ぶのは分かるかも。


内心私もかなりテンションが上がっていると言っても過言ではない、それくらいだ。





「それじゃ受けたい者だけその志願書にサインして明日の午後4時までに学校の301に来ること。
と言っても強制じゃあない、受けるかどうかはお前達の自由だ。

以上!」




用件だけを言って素早く去っていく先生。

……今日集まった理由はこれだったのか。
理由も言われずに呼び出されたから何かと思っていたのが。

まぁいっか、とにかく…。




「私、何だかすごくドキドキしてきたよ!」

「おっ、ユカリもか!俺もワクワクして今日寝れないってばよ!」

「いやいや、ちゃんと寝てよ!」




ナルトにそうは言ってもそれは私も同じ。
おそらく…サスケくんも。


中忍試験に出たい…!



その気持ちでいっぱいにだったのだが、ふと見ると隣にいる浮かない顔をしているサクラの様子が視界に映った。





「サクラ?どうしたの?」

「!な、何でもないわ!」



サクラはそう言うが明らかに何か不安気にしている。
それもカカシ先生が中忍試験の話をした時からだ。



「(中忍試験…?)」



さっきまでいた先生からの中忍試験の説明を思い出してみるがはっきりとしたことは分からない。

だけど…。




「………ユカリ、やっぱ相談したいことがあるの。今から時間ある?」

「!もちろんだよ!」



サクラから誘われ一緒に甘栗甘に行くことになった私達。

サクラの様子が変な理由はこの後すぐに分かることになる。











私達は甘栗甘にて団子を食べながら外のベンチに腰掛ける。

そして最初に口を開いたのはサクラだ。




「…ユカリ、私…

中忍試験出たくない」


「、え…!?な、何で…?」



思わず聞き返してしまった私。
あまりにも衝撃的だったからだ。

サクラは少しの沈黙後、ゆっくりと話し始めた。




「だって私…サスケくんにもユカリにもナルトにも追いつけてないのに中忍試験なんて…」



それを聞いて理解した。
何故さっきから浮かない顔をしているのかを。

サクラの言葉を聞いて私は考え出す、そして。




「うーん…上手くは言えないけど追いつく追いつけないとかは関係無いと思う。
サクラはサクラの良いところがあるんだから…。

それに悩むってことは出たい気持ちもあるってことでしょ?
ここは思い切って出るのも良いと思うよ!

まぁ最後に決めるのはサクラだから私からは何も言えないけどね」




私は自分が感じたありのままのことをサクラに言う。

それを聞いたサクラは戸惑いもあったが初めよりはスッキリしている表情だった。

…良かった、少しでも役に立てて。



「…ユカリ、ありがとう!」

「ううん!どういたしまして!」





そして向かえるのは明日の午後。






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