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先ほどタズナさんから言われた話、それは恐るべき、そして私達を納得させるには十分な内容だった。
簡単に言えばガトーという男が島国国家の交通を独占し、富の全てを独占している。
が…橋が完成すれば意味がなくなってしまうため、橋を作っているタズナさんの命を狙ってると言うわけだ。
依頼をBランク以上にしなかったのは波の国がすごく貧しい国だから。
結果、私達はタズナさんが国に帰る間だけでも護衛をすることになった。
タズナさんの知り合いの人に船を漕いでもらい、波の国に着く。
「よーしィ!ワシを家まで無事送り届けてくれよ」
「はいはい。(次に奴らが襲って来るとしたら中忍じゃなく上忍レベルに違いない…)」
何かを考えながら答え、面倒くさそうな表情をするカカシ先生。 そしてサスケくんに敵対心剥き出しのナルト。
…任務、大丈夫だよね?
「そこかぁーっ!!」
そう思っているとナルトがいきなり木の方へと手裏剣を投げた。
「……………」
一瞬の沈黙後、
「フ…なんだネズミか。」
かっこつけて言うナルト。 サクラにもタズナさんにも怒られてカカシ先生になんか怯えられてる。
…ナルトいきなりどうしたの。
「そこかァー!!」
すると別の方向に手裏剣もう一回投げるナルト。 同じようにサクラに怒られていたが、カカシ先生の反応が違った。
「ナルト、うさぎが気絶してるよ!」
手裏剣の投げられた方に行くとそこには気絶したうさぎがいた。 それを告げるとナルトは気絶していたうさぎを申し訳なさそうに抱きしめる。
それは、真っ白なうさぎ。
「(あれはユキウサギだ……ユキウサギは太陽の光を受ける時間の長さによって毛の色が変わる。 白色は日没が早くなる冬の色だ。
これは光があまり当たらない室内で変われた変わり身用のユキウサギ…早速お出ましか……)」
カカシ先生は何か深刻そうに考えている。 私には分からないけど、ナルトが2回目の手裏剣を投げた時から先生の様子が違う。
新たな敵が来たのだろうか、そう思った瞬間に
「全員伏せろ!!」
カカシ先生のその叫びでみんな一斉に伏せる。 伏せなければきっと私達の頭上で回っている武器に攻撃されていただろう。
一気に緊張感を覚えた。
そしてその武器は木に刺さり、その上に立っていたのは口元にマスクで覆い上半身裸の見ただけで強そうな人だった。
「へーこりゃこりゃ霧隠れの抜け忍、桃地再不斬君じゃないですか」
その敵を見ながら相手の名前を言うカカシ先生。 そして先生は片方下がっている左側額当てを掴み構えている。
「写輪眼のカカシと見受ける…。 そしてそこの小娘、西条ユキナか?いや…」
「!」
今何て言った?この人。
西条…ユキナ……!
「その名をどこで知ったの!?答えて!」
私はクナイを握り、その敵が立っている武器の包丁の上に移動していた。 私の目の前には敵。
「よせ!ユカリ、降りろ!」
「ユカリ?じゃあお前が西条ユカリか。 白の言ってた…」
「白…?貴方一体…!」
「ユカリ!!」
するとカカシ先生がすごい勢いで私を呼んだ。
「…っ!」
この人が言ってるのはすごく気になる、知りたい…けど私が突っ走ったって返り討ちだ。 それに任務はタズナさんを守ること。
私はみんなのところへ降りた。 カカシ先生に謝りながら…。
「…ユカリ、これは任務だ。一人突っ走るな!」
「……はい」
気を落ち着かせ、本来の任務につく。
「説教は終わったのか? さぁじじいを渡してもらおうか。」
敵、再不斬の言葉で皆戦闘体制に入り始める。 私達は卍の陣でタズナさんを守る、これがここでのチームワーク。
「……再不斬、まずは…俺と戦え」
先生が左側の額当てを上げきった。 そこには見たことがない特殊な模様をした瞳が。
これは写輪眼という瞳術使い方が特有に備え持つ瞳の種類だと分かった。
「(…写輪眼はウチハ一族の中でも一部の家系にだけ表れる特異体質だぞ。 もしかしてコイツ……)」
写輪眼を見た時、サスケくんが何かを深く考えていて、何だろうと思ったが既に戦闘が始まっている。
先生は再不斬と戦い始め、私達はタズナさんの守りについたのだ。
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