日常編 | ナノ



「着いたぞ」

「ここが10代目ボスの沢田綱吉さんの家…?」



あれからリボーンについていきながら歩いて、着いた場所は”沢田”という表札があるごく普通の家。
…ボンゴレボスの家ってもっとすごいの想像してた。
なんかほら、豪邸とか。

まぁでも9代目から見せてもらったボスの写真は一般的というか

とにかく年が同じってことに驚いたんだよね。



「入るぞ」



そう言ってリボーンは遠慮なく沢田家に入る。

…え、いいの?
不法侵入とかじゃないの、これ。


そうは思いながらも私もリボーンについて行き、沢田家へお邪魔する事にした。







ピンポーン


沢田家にインターホンが鳴る。



「はーい」


ガチャリ



家の中から鍵の開く音がしたと同時に女の人が出てきた。



「どちら様ですか?」

「あの「俺達は家庭教師のリボーンと杏だ」…家庭教師!?」

「あら…?こんなに小さな子と中学生くらいの貴方が…?でもとりあえず中に入ってください」




女の人に中に入るように言われて中に入る。

ちょっと待って、家庭教師って何?


分からないままリボーンについていき、沢田家に入っていくと見覚えのある顔が…。




「あ…沢田綱吉さん!」



そこにいたのは9代目から渡された写真に写っている10代目候補、沢田綱吉さんだった。



「…え?誰?」



ボスは不思議そうに私とリボーンを見る。

…あ、そっか。
見知らぬ人に名前を呼ばれ、家に入れられたんだから当然だよね。



「あの」
「お前がツナだな。俺達は今日からお前を指導する家庭教師だ」



私がちゃんと自己紹介をしようとすると、リボーンに遮られてしまった。
さらにリボーンのその言葉を聞くとボスは急に吹いて笑い出した。

どうしたんだろう。
そしてツナってボスのことだろうか。



「うさんくさい広告の主がどんなやつかと思ったらこの赤ん坊と同じくらいの女の子!?
悪いけど俺は家庭教師なんていらな…ほむっ!」



ボスは最後まで言葉を言いきれなかった。

なぜならリボーンがものすごい音を立ててボスの事を殴ったからだ。

ボスはかなり痛そうだ。



「ちょ、リボーン!何してるの!」

「まぁ落ち着け。早速始めるか、こいつの部屋に行くぞ」



この場にいる女の人、おそらくボスのお母さんはものすごく驚いて青ざめていた。

…なんだか申し訳ない。


だけどリボーンは気にせずにボスを部屋に連れて行くので、私はペコリとボスのお母さんに一礼して一緒について行った。










「………」



さて、私は一体どうすればいいだろうか。

リボーンがボスを殴って気絶したボスをリボーンがボスの部屋に運んで。
そこまではいいもののリボーンは即寝してしまったのだ。
…いや、よくないけど。


ボスは気絶、リボーンは睡眠。
とりあえずリボーンを起こそうとして名前を呼んだけど全く起きる気配がない。



「私、どうすれば…」



そうポツリとつぶやいたその時、ボスの目が覚めた。



「ボス!」



私はすぐに気づいてボスに話しかける。
しかしボスは最初に自分を殴った寝ているリボーンに話しかけて怒った。



「おい、起きろ!赤ん坊だからって許さないぞ!」


そう言いながらボスは寝ているリボーンを軽く叩いた。すると…



バンッ


リボーンが目を覚ましてボスのネクタイを引っ張りボスを床に叩きつけたのだ。



「ちょ、リボーン!?」

「いってーっ!なんだこのガキー!!」

「俺に隙はないぞ。本職は殺し屋だからな。
俺の本当の仕事はお前をマフィアのボスにすることだ」



ボスは痛そうにするがリボーンは構わずきっぱりと本来の目的を言うと、ボスはかなり驚いた。
というか信じていないようだ。

でも当たり前だろう。
私もいきなりそんな事言われたら絶対信じないだろうし。



「お前、頭大丈夫か?てかだったら君は…?」



するとボスは私の方を見た。
そういえば自己紹介がまだだったな。



「紹介遅れてすみません。私は…「こいつは俺の愛人と見せかけて実は本妻だぞ」

「「…は?」」



いざ自己紹介をしようと思った矢先にリボーンが私の言葉を遮ってとんでもない事を言った。

何言ってるの、リボーン。



「リボーン何の冗談…」

「冗談じゃねーぞ。なんだ?杏は本妻より愛人がいいのか?」

「いや、そうじゃなくて…」



本妻と愛人なんて言葉…簡単に使っていいものじゃないでしょ。
だいたい私とリボーンは友達なんだから。

そう思ったけれどなんとなくそれを言うことは出来なかった。



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