日常編 | ナノ



そして30分後。
始まった雪合戦は……少なくとも私が知ってる雪合戦とはかなり違っていた。



「ねぇねぇツナ。…雪合戦ってこんなに過酷?」



その雪合戦とは…野球のフォームで雪玉を投げたり、ボクシングフォームで雪玉を砕いたり。
餃子拳の匂いが散乱しそうになったりダイナマイトで攻撃されたり…。

挙げ句の果てにディーノの部下達が雪の中から出てきたり、隼人がツナのいるグループに移ったり。

例をあげたらキリがない。


でも昔お兄ちゃんとかお姉ちゃんとやった時は雪玉投げ合っただけだったはず…。



「え…あはは…俺もこんな過酷なの初めて(もうまじこの雪合戦何〜!?)」



ツナも分からなさそうにしていると、代わりにリボーンが答えてくれた。



「杏、マフィアの雪合戦はこんなもんだ」

「えっ、そうなの!?じゃあ頑張る!」

「ちょっと〜!?」



それじゃあ頑張らなければ。
ツナが何か言っていたが改めてやる気になった私は少なくなった雪玉を再び作り出す。



「おらよっ」



とその時、敵グループであるはずのディーノが私に近付き、私が作った雪玉を持って投げたのだ。


お兄ちゃんに。




ぺしゃあっ



「…………」

「……あ、悪ぃ、流」



まさか味方のディーノに当てられるなんて思ってなかっただろう。
お兄ちゃんはディーノの雪玉を顔面でくらっていた。

部下がいるディーノは命中率100%。



「………おい、ディーノ。てめぇ何してんだ?」



顔面でくらったお兄ちゃんはかなりキレていた。



「あ、いやその…流は別のチームで杏が同じチームかと…」

「てめぇの目はどうなってやがる!」

「うわっ、投げんなよ!これでもお前のボスだぞ!」

「ああ!私が作った雪玉…」



キレたお兄ちゃんはディーノと同じく、私が作った雪玉をディーノに投げた。
そしてディーノも私が作った雪玉をお兄ちゃんに投げる。

…なぜ味方同士の人達が雪玉を投げ合っているのだろう。


私が作った雪玉は呆気なくなくなってしまった。



そして更に驚くべきことが…




「よくも私抜きで遊んでくれたわね。いくわよ、下僕たち」

「な!?ビアンキ!?」



なんと最初はいなかったビアンキが黒い中華っぽい服を着て登場したのだ。



「勝つのは私達毒牛中華飯!」

「第三勢力だと!」



そしてそこでビアンキと一緒にいたのはランボくんとイーピンちゃんだった。

あれ、ランボくんとイーピンちゃんって雪合戦一緒にしてたよね?
どうやら無理矢理ビアンキに誘われたらしい。


この雪合戦、どうなってしまうんだろう。

それはきっとみんな思ったはずだ。




prev (しおり) next


back



- ナノ -