日常編 | ナノ



ーー場所は変わり屋上にて



「なぁ!あいつにわざと会わせたぁ!?」



屋上には先ほどまで応接室にいたツナ、獄寺、山本、そしてリボーンが話していた。



「危険な賭けだったけどな。
打撲とスリ傷ですんだのはラッキーだったぞ。
平和ボケしないための実践トレーニングになっただろ」

「はぁっ何だよそれ?
つーか杏は!?何で杏がいないんだよ、まさかまだ応接室…?」



杏がいないことに疑問を抱くツナ。
いや、それは獄寺も山本も感じていた。



「お前ら、よく考えてみろ。杏はお前らより先にいたんだ。
つまりもともと杏は応接室、もしくはヒバリに用があったってことだ。

そんな杏を連れて帰るのは出来ないだろ」



確かにリボーンの言うことに一理あるのだが皆、納得出来ていないようだ。



「しかしリボーンさん…。アイツ、あのトンファー野郎に殴られかけてましたよ」

「……大丈夫だろ」



リボーンはそう言うも屋上では杏への心配でいっぱいだった。

そんな心配は裏腹に応接室ではーー…





「柚木杏、風紀委員になりなよ」

「…………はい?」



風紀委員長さんは一体何を言っているんだ。

風紀委員?私が?
え、無理無理!



「あぁ、ちなみに拒否権はないからね。」

「……………はい?」



そう思っていたのにその考えを否定するように、風紀委員長さんは拒否権がないと言う。
…これのどこが良い案なのだろう。

そして更に追い討ちをかけるように風紀委員長さんは言った。



「それにもし風紀委員にならないと言うなら毎日君を咬み殺しに行くけど。

………さぁ、どうする?」




ニヤリと笑う風紀委員長さん。

これってさ、もう拒否権どころか強制だよね。



「………分かりました。風紀委員に入らせて頂きます」



だったらもう仕方ない。
入ることを決意する私。

そんな私の返事に風紀委員長さんは嬉しそうに笑う。



「…あ、そうだ。風紀委員長さん」

「何?」

「名前教えて下さい。」

「…………は?」



そうだ、私この人の名前知らなかったんだ。
次会った時聞こうと思ったことを今思い出した。



「君まさかずっと僕の名前知らなかったの?」

「………はい」



ああ、でもさすがに名前知らないなんて申し訳ないな。
溜め息を一つついてから風紀委員長さんは言った。




「…雲雀恭弥」



雲雀恭弥さん、か。



「……では雲雀さん、これからよろしくお願いします」






柚木杏、本日より風紀委員になりました。


雲雀さんが風紀委員長とは未だ思えないけど……はぁ、うまくやっていけるかなぁ。




「(杏に何かあったらただじゃおかない、か…)
あの赤ん坊、また会いたいな」




どうやらリボーンは雲雀に応接室から逃れる時に忠告していたようだ。





こうして今日の波乱な一日は幕を閉じたのだった。




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