木手永四郎が好きだ100529
、と思う。
私の目は知らぬ内に彼の方へ行ってるし、たまに凄く会いたくてたまらなくなる。
でもそれは言えない。
だって私は
「何ぼぉーっとしてるんさー」
「あっ、ごめん」
だって私は平古場凛の彼女だから。間違っても木手永四郎が好きだなんて言えない。
言ったらたぶん、否絶対今のままじゃいられない。
凛とも、木手とも。
だから今のままでいい。
これ以上木手と離れたくない
この幸せも失いたくない
「あ、永四郎」
凛が永四郎、と呼ぶ度にどきんとする。
木手がこちらを見る。
一瞬、目が合う。
「仲が良いですね。今日も」
「ま、まあね」
「もう付き合って1年だからなあ」
凛がそう言って私の肩を抱く
やめて、木手の前で
なんて言えない
木手は私のことなんてなんとも思ってないはず
でも今私、木手が凛を殴って私を何処かに連れて行ってくれたら、なんて思ってる。
ずるい、ずるい、ずるい
「じゃあ、これで」
「またやー」
木手が立ち去る。
「えっ、」
一瞬、手が触れる。
「ん?どうした」
「い、いやなんにも」
耳元で確かに聞こえた。
貴方はずるい人だ
だから、好きですよ
でも、私はこの手を離せない
なんじやこりゃ