▼煌めきの彼方に 2015/02/27 03:56
冬休みというのは気を抜けば夏のそれよりも瞬きの間に過ぎていってしまうものだ。三が日を過ぎればもう部活が始まって、いつの間にか新学期が始まってしまう。
近くに山があれば運動部は利用しない手はない。青葉城西の運動部のトレーニングには山中での走り込みが定番と化していた。幸い、冬でも雪深くない土地柄故にこの真冬でもそれは継続されている。
緩やかな勾配ではあるが曲がりくねって複雑に交差した道を走るのはなかなかにしんどいだろう、部員たちを横目に自転車を漕ぐ彼女はそれを見て少しだけいつぞやの歴史の授業を思い出した。
「健脚お守りかぁ、でも視力悪くなってきたし目の方がいいかなぁ……」
折り返しとして休憩地点に定めた神社の境内で健脚お守りを見ていたら意外そうな顔で岩泉がこっちを見た。
「お前そんな婆さんみたいな」
「だれがババアだ、だれが。確かにおかげさまでふくらはぎがだいぶ逞しいわ」
そういうと花巻がげらげらと笑い出したので脇腹に手刀を叩き込んでおいた。あとでたいやきでもおごってもらおう、そうしよう。
「それで今度はおみくじですか」
「初詣で引き逃したの」
地味におみくじって種類が多い。大きい神社だと尚更。一緒に見ていた及川が恋愛系のやつを熱心に見ていたので辟易してみせると奴は大仰に否定する。
「いや、俺じゃなくてこれとかそれとか好きそうだなって。おまけかわいいし」
そうだよ、大好きだよ。私だって女子だ光りモノは大好物だ。しかし及川に指摘されるとなんだかムカつくわけで。あと普通にかわいいって言っちゃうのかお前。
「じゃあこっち引いとく」
「そう?別にこっちでも及川さん気にしないのに」
「こういうのの方が好みなんですぅー、女子のみんながみんな恋愛脳だと思ってんでねぇぞ」
飽きた/(^0^)\
とんぼ玉根付おまけのおみくじと華筒のおみくじで迷いまくったのが私です。恋愛のは、いいや。
back