フラン
2012/05/13 15:46

それなりに色々なところを廻ったという自負があったはずなのになぁ、と呟いて辺りを見渡すと限りなく知らない景色が広がっている
まぁ、色々なところに行っても仕事だから観光なんてできてはいなかったのだけれど。

「私殺されるかなあ」
「まぁ、怒りんぼの元ボスと顔を合わせた瞬間にアンタは殺されますねー確実に」
「え、ちょっと待って君はどうなん」
「ミーは元々前任の代わりなんでー。辞めますーって言ったらオッケーでしたー」

なんなんだろう。扱いの差に悲しくなってきた。
私はほぼ死ぬ覚悟でついてきたっていうのにこの子は全くもう。

「私だけが駆け落ち気分かよこのやろー」
「えー……なんですか、その恥ずかしい思考回路。寒気がしますー」

そう言って震えるジェスチャーをするフランを小突く。なんで好きになっちゃったかな、こんな子。
でも、惚れてしまったのだから。仕方がないのだ。

ああ、やっぱしボスには会いたくないなー。恐いもん。





魔法使いと駆け落ちしました。




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