2012/05/13 15:43


「あーあ、やってしまった」
「なにをだよ」

数学を解き進めながら零が面倒臭そうに声をあげた。多分、何も返さないと私が拗ねてもっと面倒なことになるのが分かっているからだろう。

「ピアスホール塞がった」
「そうかよ」
「そうかよじゃあないでしょ!あの担任のせいだわ、全く」

校則にピアスを禁じる項目がないはずなのにどうして怒られたんだ私は。あと零もあいているし、理不尽にもほどがあるでしょうよ。
「樹脂のもつけてなかったもんな」
「うん」
「塞がっても文句言えねぇだろ」

そういう問題じゃない、と言って零を睨み付けた。

「今度こそ私は負けない!」
「なんの話だよ」
「零、数学なんて訳の分かんないものやってる場合じゃないよ。今すぐまた私にピアスホールあけて」

それはお前が数学嫌いだからだろ、って零が呆れたように言うけど関係ない。そして行動あるのみ。

「……その前にピアッサー今ないだろ」
「安ピンならあるよ!」
「バカか、そんな危ない真似させられない」

この前のは自分であけたからだけど、零があけてくれたものなら何が何でも守りぬけそうな気がするから
、私がんばる。

「今度やってやるから、大人しくしとけよ」
「はーい!」





塞がったピアスホール


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