「こんにちは伊達さん」 「こんにちは」 「今日はもうお仕事終わりですか?」 商店街で伊達さんに会った。 お仕事終わりですか、と聞いたのはまだ空が明るいから。 「うん、でもまだこれからだなぁ」 ほんと、君にあえて癒されるよ。 そう笑う伊達さんだけど、伊達さんじゃない。 いつもそう。こうやって早くお仕事を切り上げた日は、いつも悲しそうに笑うの。 伊達さんは隠し通せてると思ってるみたいだけど、気づいちゃうよ。だって好きなんだもん。 ねぇ、あなたはなにを隠してるの? 全部教えてってわけではないけど、お隣りに住んでる誼で、少しでも伊達さんを助けてあげたい。 なにをそんなに苦しんでいるの? 「そろそろ行かなきゃ」 「引き止めちゃってごめんなさい」 「ううん、いいんだ。また僕の仕事が落ち着いたら、ご飯でもどう?」 「えっいいんですか?」 「久遠くんも一緒だけど、いいかな?」 「伊達さんとご飯食べられるなら構いませんよ」 「嬉しいこと言ってくれるなぁ、きみは」 それじゃあ、そろそろ、行ってくるよ。 だんだん遠くなる伊達さん。 私じゃあ、伊達さんを助けられないのかな。 ****** 拍手ありがとうございました。 コメントは下部よりどうぞ。 20161011〜 |