「せんせー、大丈夫? こんな頻繁にヤッてたらバレてクビになっちゃうかもよ?」

様々な薬品等が入り交じる独特な空気の理科室の中。
僕は教え子の男子生徒に白衣姿のまま淫らに脚を開かされ、排泄器官である穴に指を入れられて悶えている。

「ふあっ…!…でも、どうしても君が欲しくて…っ」
「そのセリフさぁ、他の男にも言ってるの?」
「へっ…? 言うわけな…っんあ!」

指が中の敏感な箇所を的確に抉る。頭の先まで突き抜ける甘い刺激に背筋がゾクゾクとざわめく。

「でも先生の体、どんどんエロくなってってるよね」
「それは、君がこんなにっ…!んっあぁっ」
「君って言うのやめてってば。ちゃんと名前呼んで」
「…っ、颯真が、僕の体をこんな風にしたんだよ…っ」

目の前の生徒、颯真はいつもと変わらない気だるげな表情で僕を見下ろしている。

……28年間、自分は性的なこととは一切関わりをもたずに生きてきた。
周りから「お前は生真面目すぎる」と呆れられても、ただただ実直に我を貫いていた。

そんなある日、突然理科室に現れたのが颯真だった。
「ここ涼しくて気持ちいいね。昼寝場所にさせて」そう言って颯真は勝手に理科室に居座るようになった。
不真面目で面倒くさがりで飄々としていて、でも感性が豊かで柔らかい雰囲気をまとっている颯真。そんな不思議な性格にいつしか惹かれるようになっていた。

理科室を勝手に使われるのは困るけど、彼と一緒に過ごすのは楽しいな。そう思うようになった頃、不意に颯真に唇を奪われた。
彼にとって気まぐれだったのか何なのかはよくわからない。
それから徐々に颯真の手で身体を開発されていき、僕は今では生真面目さの欠片もない不純な人間になってしまった。



「や、ぁっ…!焦らさないで…っ早く挿れて…!」

机に手をついて下半身をつき出している自分の後ろに立って颯真は僕の穴に自身を擦り付けている。
何度もぐぽぐぽと入口だけを先端で拡げられ、なかなか入れてもらえないもどかしさに堪らず振り向いて欲情のままねだる。

「…先生さ、気持ちよくしてもらえるならもう誰でもいいんじゃないの?」
「そんなことっないよ…!」
「…ほんとに?」

最近、彼の性格で新しくわかったことがある。…颯真はものすごく独占欲が強いらしい。

「颯真とじゃなきゃ、こんなことやらないよ…っ」
「じゃあ1ヶ月おあずけしても誰ともヤらないで我慢できる?」
「ふぇ… おあずけ…? …キスもしてくれないの?」
「…あ。ずるい。その言い方可愛すぎ」
「ひゃっ…!?ああぁッ!!」

腰を掴まれたと思うと、重い衝撃が一気に下半身を貫いた。
待ちわびた快感はあまりにも強く、たちまち頭が真っ白になる。

「先生、俺のこと好き?」
「うあっあぁっ!好きっ…!颯真のことしかっ、考えられない…!」

僕の身体を支配するかのように颯真は何度も深く鋭く体内を突き上げる。

「…もっと俺の名前呼んで」
「っふ…、そ、うまっ…!あっふあぁ!颯真…っ!好き…っ颯真、あぁあッ!!」

名前に呼応するように颯真のモノがさらに大きくなって僕の中を満たす。
同時に颯真の手が立ち上がっている竿に伸びてきた。弱い部分を器用にしごかれ、彼の手で何度もイかされたそこは瞬く間に限界へと導かれていく。

「や、あっあ!だめっ…颯真、イッちゃう…!」
「いいよ、出しても」
「うあぁっ!颯…真…っあ!イクっ、あっふぁあ!!」

我慢することもできず、僕はあっけなく白い欲望を吐き出してしまった。
解き放たれる恍惚感に身体中が甘く痺れて蕩けていく。

「…っ、ごめん…先にイッちゃって…っうわ!?」

余韻でゾクゾクと震える背中に突然颯真がのし掛かってきた。重さを支えきれずそのまま崩れるように机に突っ伏す。

「どっどうしたの颯真っ…」
「眠くなった」
「えぇっ!?」
「ちょっとこのまま寝かせて…」
「このまま!?」
「うん…」

後ろから僕を抱き締めると、本当に寝る気なのか颯真は黙りこんでしまった。

…つくづく気まぐれな子だ。今までも彼の唐突な言動にどれだけ振り回されてきたことか。

「…10分経ったら起こすからね」
「ん…」

頭をぽんぽんと撫でると颯真は小さく「先生、好き」ど呟いて寝息を立て始めた。

下半身には颯真のモノが埋まったまま。動いてなくても颯真の熱を感じてまた欲望が灯りだしてしまう。
…あと10分か…。5分にすればよかったな。
10分もこの疼きを耐えしのがなければならないというもどかしさにため息が漏れる。

…でもこんな風に振り回されるのも悪くない。
全身で颯真の体温を感じながら僕も目を閉じて意識を甘くまどろませた。

end


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