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ふと、何の予兆もなしにむくりと自分の股間が頭をもたげるのを感じた。何もしてなくても勃起するのは別におかしなことでもなかったが、そういえば最近悪魔狩りのほうが忙しくてめっきり処理してなかったことを思い出して、明が寝ているうちに抜いてしまおうと思った。まだ夜が明けるには時間があるし、流石に起きてはこないだろう。開いていたパソコンから手頃なものを開いて、寛げたズボンから露出させたそれを雑に扱いていく。ただなんとなく疲れもあってか気分が乗らず、事務的に指を上下させていることに滅入って溜息をついたとき、ガタンと扉が開く音がした。

「…。」

明だった。無言でこちらを見ている。驚いてデスクに腰を深く入れて隠すものは隠したが、同じ男であるし何をしていたかは当然わかっていると思われた。

「…」

気まずい。何か喋ってくれ。まだ明は無言でこちらを凝視している。

「…抜いてやろうか?ソレ」

「は?」

明はぺたぺたと足音を鳴らしながら当然といったかのようにこちらに歩み寄ってきて、チェアを勝手に回してまだ緩くだが勃っている俺の息子に目をやると、徐ろに手で扱き出した。

「おまえ、何、」

「目ぇ開けんなよ、萎えるだろ」

そういう問題じゃない。というかお前と違って俺に想像する相手はいないし、現状それに一番近いのが図らずしてお前なんだぞ。わかってるのか。
明の表情は淡々としていたが、同じ男だからか手の動きは的確だった。明が自分でする時もこうやって動かすのだろうか、と漠然と思った。俺の息が荒くなるにつれて、明の手の動きも速くなる。

「出していいぜ」

俺のを扱きながら片手で取ったティッシュペーパーを当てられ、そのまま明の手で達する。数秒の余韻に浸ったあとふと理性が戻ってくるとどうしてこういうことになったのかどう考えてもわからなかった。

「じゃあ、俺は寝るぜ。オヤスミ」

「あ、ああ…。おやすみ」

言うなり明はくわあと欠伸をついて、本当にまたベッドのある部屋のほうへ戻ってしまった。結局何しに来たんだ。まだ薄暗い部屋には呆然とした俺だけが残された。





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